アキュラ MDX 新型のタイプS《photo by Acura》

ホンダの海外向け高級車ブランドのアキュラは6月18日、新型『MDX』の高性能モデル「タイプS」の新写真を公開した。6月27日に決勝レースを行う「パイクスピーク国際ヒルクライム」に参戦するアキュラ車の牽引車としてデビューし、2021年後半、米国市場で発売される予定だ。

◆アキュラのSUV初の「タイプS」に

MDXは、アキュラの最上位SUVだ。アキュラによると、初代MDXのデビューから20年以上の間に、累計100万台以上が販売されており、MDXが米国で最も売れた3列シートのラグジュアリーSUVになるという。MDXはアキュラのベストセラー車としての地位を確保しており、アキュラブランドの米国販売の約3分の1を占めている。

4世代目となる新型MDXに設定されるのが、高性能モデルのタイプSだ。過去には、『TSX』(日本名:ホンダ『アコード』に相当)や初代『NSX』にも、タイプSが設定されたことがある。

アキュラが最後にタイプSを用意していたのは、2008年モデルの『TL』だったが、2020年、新型セダンの『TLX』でタイプSを約12年ぶりに復活させた。これに続いて2021年、SUV初のタイプSが、新型MDXにラインナップされる。

◆3.0リットルV6ターボは最大出力355hp

パワートレインには、アキュラが新開発した3.0リットルV型6気筒ガソリンターボエンジンが搭載される。最大出力は355hp、最大トルクは48.9kgmを発生する。

他のグレードには、自然吸気の3.5リットルV型6気筒ガソリン「i VTEC」エンジンが搭載される。最大出力は290hp、最大トルクは36.9kgmを引き出す。タイプSでは、排気量を500cc縮小しながらも、ターボで加給することにより、パワーは65hp、トルクは12kgmプラスされている。

駆動方式は、最新の「SH(スーパーハンドリング)AWD」だ。第4世代のSH-AWDは、第3世代のシステムよりも、リアのトルク容量が40%増加し、前後のトルク伝達が30%高速化されている。最新のSH-AWDシステムは、通常の走行状態で最大70%のエンジントルクをリアアクスルに配分する。そのリアアクスルでは、トルクの最大100%を左または右の後輪に継続的に配分できる。これにより、後輪左右のトルク伝達のヨーモーメント効果が増幅され、さらにシャープで正確なターンインを実現するとともに、コーナリング時の安定性が向上しているという。

◆最大牽引能力は2.2トン以上

タイプSは、オープンダイヤモンドメッシュグリルやクワッドエキゾーストアウトレットを専用装備する。トリムは標準のクロームから、グロスブラックに変更され、高性能モデルらしいエクステリアとした。

足元には、グリップを引き出す275サイズのタイヤに、21インチのアルミホイールを組み合わせる。大容量ブレーキには、4ピストンのブレンボ製フロントキャリパーが採用された。トランスミッションは10速AT「クイックシフト」。タイプS専用の「スポーツ+」ドライビングモードを搭載し、シャープなレスポンスを追求する。オプションの「トーイングパッケージ」を選択すると、最大牽引能力2.2トン以上を可能にする。

インテリアには、専用の内装色とトリムを採用する。カーブドステッチのアクセントが付く9モードのマッサージフロントシートをオプションで用意した。新開発の「ELS STUDIO 3D」プレミアムオーディオシステムは、出力1000W以上、22のディスクリートチャンネル、25のスピーカー仕様となり、アキュラ史上、最も先進的で強力なオーディオシステムになるという

なお、新型MDXのタイプSのさらなる詳細については、発売日が近づくにつれて、明らかにされる予定だ。

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