2020年9月に開催された「第88回ルマン24時間レース」。《写真提供 TOYOTA》

4日、ルマン24時間レースのオーガナイザーであるACO(フランス西部自動車クラブ)が、今年2021年の第89回大会の延期に関する発表を行なった。6月12〜13日だった開催予定日程(決勝日ベース)が、8月21〜22日へと変更されている。

フランスのルマン24時間レース(四輪)は例年、夏至に近い時季の開催を基本としており、6月の実施が定着している。ただ、コロナ禍によって昨年(2020年)の第88回大会は9月に延期され、無観客で開催された。そして今年の第89回大会についても、当初予定の6月12〜13日を決勝とする日程での開催は断念となり、8月21〜22日を新たな決勝日とする日程への延期が決まった。

今回の延期措置は、開催関係者の「2年連続での無観客開催は避けたい」との明確な意思を反映したものであり、観客を入れての開催を目指すための一手となっている。

今年のルマン24時間は世界耐久選手権(WEC)の第3戦という位置付けであったが、WECの他の5つのレースイベント(9月の第5戦富士を含む)には今回のルマンの移動による日程変更は現段階では生じない、とのこと。7月のイタリア・モンツァ戦が第3戦となり、8月のルマンは第4戦ということになるのだろう(もちろん今後のコロナ禍の世界的な状況変化次第で、新たな変更が出る可能性はある)。

なお、4月2〜4日を開催期間とするWEC第1戦ポルティマオ(ポルトガル)と4月29日〜5月1日が同期間の第2戦スパ・フランコルシャン(ベルギー)については、いずれも無観客開催とする方針が2月末に発表されている。

2年連続で定例の6月開催は断念となった伝統の耐久レース、ルマン24時間。9月後半の開催だった昨年とも1カ月違う8月後半という新たな時季条件への対応等に、競技参加者は腐心することとなりそうだ。今年、4年連続の総合優勝を狙うトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)は、新たなルマン・ハイパーカー(LMH)規定車の「GR010 HYBRID」でルマンに臨む。

[追記] 3月5日、WECは第1戦として4月2〜4日に開催を予定していたポルティマオ戦を6月13日決勝予定へと延期する日程変更を発表した。ポルティマオ戦を有観客とできる可能性が増す、とのことである。これによって、5月1日決勝予定のスパ・フランコルシャン戦がWEC第1戦になり、ポルティマオ戦は第2戦となった。また、当初のポルティマオ戦の直前、3月30〜31日に同地にて実施予定だったプロローグテストは、場所をスパに移して4月26〜27日実施予定と変わっている。

2020年9月に開催された「第88回ルマン24時間レース」。《写真提供 TOYOTA》 2020年9月に開催された「第88回ルマン24時間レース」。《写真提供 TOYOTA》 2020年9月に開催された「第88回ルマン24時間レース」。《写真提供 TOYOTA》 2020年9月に開催された「第88回ルマン24時間レース」。《写真提供 TOYOTA》 今季2021年のWEC/ルマンを戦う「トヨタGR010」(写真はテスト)。《写真提供 TOYOTA》 今季2021年のWEC/ルマンを戦う「トヨタGR010」(写真はテスト)。《写真提供 TOYOTA》 今季2021年のWEC/ルマンを戦う「トヨタGR010」(写真はテスト)。《写真提供 TOYOTA》