3種類の建設機械を遠隔操縦《画像提供 日立建機日本》

加藤組と日立建機日本、西尾レントオールの3社は、2月26日から3月5日の間、広島県広島市西区太田川放水路河川敷で、第5世代移動通信システム(5G)を活用して油圧ショベル、ブルドーザ、土工用振動ローラの3種類の建設機械を遠隔操縦をする実証実験を実施。(2月22日発表)

実証実験では、工程ごとに異なる複数の建設機械を、1人のオペレータが1台の遠隔操縦席で操縦できる装置と、専用回線ではなく既存の5Gの一般回線を用いて、遠隔操縦する。無線LANを使用した遠隔施工と5Gを使った遠隔施工の結果を比較して5Gの有効性を検証する。

実証実験では全体統括が加藤組、ブルドーザへの遠隔操縦ユニットの搭載と土工用振動ローラへの遠隔操縦ユニット「ERC」の搭載を西尾レントオールが担当。日立建機日本が油圧ショベルへの遠隔操縦装置の搭載、AR技術導入と建設機械3機種からの映像伝送システムの構築を担当する。

建設業界は少子高齢化による労働力不足で、2030年までに建設業就労者が2005年比約44%減少する見通しで、新規就労者の確保が課題となっている。建設機械などの遠隔操縦は業務の効率化につながるが、遠隔地で操縦するオペレータの操作性向上のため、現場を映し出す高精細な映像や工事に必要な施工管理情報などの大容量データを高速・低遅延で伝送する必要がある。高速・大容量、低遅延が特長の5Gの有効性を検証する。

遠隔操縦モニターに表示されるAR映像(3次元設計データ)《画像提供 日立建機日本》 遠隔操縦されるICT油圧ショベルZX200X-6《画像提供 日立建機日本》