ポルシェ・タイカン のギネスチャレンジ《photo by Porsche》

ポルシェは2月10日、EVスポーツカーの『タイカン』(Porsche Taycan)がギネス世界新記録を達成した、と発表した。米国ニューオーリンズのコンベンションセンター内を165.1km/hで駆け抜けたタイカンが、屋内走行における世界最速の自動車と認定されている。

◆「ターボS」はツインモーターで最大出力761ps

タイカンは4ドア、4セパレートシートを備えた新世代のEVスポーツカーだ。タイカンは、非常に効率的な電気モーターを、フロントアクスルとリアアクスルに1基ずつ搭載し、4輪を駆動する。電気モーター、トランスミッション、パルス制御インバーターは、コンパクトなドライブモジュールに一体設計された。

リアアクスルには、2速トランスミッションを搭載する。1速は静止状態からの発進時に、鋭い加速を可能にする。ロングレシオの2速は、高い効率と同時に、高いエネルギー残量を追求する。2速は、高速走行時にも適用される。

最上位グレードの「ターボS」は、ローンチコントロールとの組み合わせで、最大761psのオーバーブースト出力を発生する。最新の2021年モデルでは、加速性能が引き上げられ、0〜200 km/h加速は9.6秒で駆け抜ける。従来よりも0.2秒の短縮を果たした。0〜400m加速も10.7秒と、従来の10.8秒に対して、0.1秒速くなった。0〜100km/h加速は2.8秒、最高速は260m/hだ。

◆ローンチコントロールとカーボンセラミックブレーキが新記録に貢献

このタイカンターボSが、米国ニューオーリンズのコンベンションセンター内を165.1km/hで駆け抜け、屋内走行における世界最速の自動車と、ギネスワールドレコードから認定された。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大の影響で外出が制限される中、屋内で何かエキサイティングなことを成し遂げようというのが、ギネス世界記録挑戦のきっかけという。

記録挑戦の舞台となったコンベンションセンターは、広さが100万平方フィート(約9万2900平方m)。床は他の多くの屋内施設と同様に、コンクリートだ。ポルシェによると、高速で走行すると氷上のように摩擦係数が小さくなるという。

ギネス記録挑戦にあたって、タイカンの純正タイヤは予熱された。また発進時には、ローンチコントロールを使用した。新記録達成に重要な役割を果たすブレーキは、純正のカーボンセラミックだ。

タイカンのステアリングホイールを握ったのは、レーシングドライバーのリー・キーン選手だ。同選手のドライブにより、タイカンは一気に加速して、建物内で165.1kmの最高速を計測。そこから急制動を行い、コンベンションセンターの壁の前で停止した。従来記録の138.4km/hを26.7km/h上回り、ギネス世界新記録を打ち立てている。

リー・キーン選手は、「屋内での体感スピードは速く、目の前に壁が迫ってきた。それでもタイカンのブレーキ性能は、想像以上だった」と語っている。

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