世界ラリー選手権(WRC)の2021年シーズンが幕を開けた。現地21日、第1戦ラリーモンテカルロが競技初日を迎え、スペシャルステージ(SS)を2本実施。ヒュンダイのオット・タナクが首位に立ち、トヨタ勢が2〜3位につけている。
もともとシーズンオフが短いWRCだが、2020年は最終戦が12月の実施だったため、このオフは一層短いものに感じられた。2021年シーズンも開幕戦はラリーモンテカルロ。伝統の“モンテ”は初開催が1911年ということなので、110周年大会になる。1月11日時点のエントリーリストでは参加84台。もちろんコロナ禍とつきあいながらのシーズンインである。
WRCのトップカテゴリー、つまり各ラリーの総合優勝とラリー界最高峰のシリーズタイトルを争えるマシンが集うカテゴリーにおいては、今季2021年もヒュンダイ「i20クーペWRC」とトヨタ「ヤリスWRC」による覇権争いが続くと見られている。
ヒュンダイ(HYUNDAI SHELL MOBIS World Rally Team)は3年連続のマニュファクチャラー部門タイトル獲得と陣営初のドライバー(&コ・ドライバー)部門チャンピオン輩出によるタイトル独占を目指す。トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)も当然ながら、狙いはタイトル独占である(トヨタは18〜20年、どのシーズンも“いずれか”のタイトルは獲っているが、独占は17年からのワークス参戦再開以降、まだない)。
なお、今季からピレリがコントロールタイヤ供給メーカーになったため(トヨタのプレスリリースによると上位カテゴリーが対象)、ヒュンダイi20クーペWRCもトヨタ・ヤリスWRCもミシュランからの“履き換え”が技術面の挑戦項目化している。
初日を終えて首位はヒュンダイの#8 オット・タナク。2〜3位はトヨタの#69 カッレ・ロバンペラと#33 エルフィン・エバンスだ。4位にヒュンダイの#11 ティエリー・ヌービルがつけ、5位はトヨタの昨季王者 #1 セバスチャン・オジェという序列(#1 オジェはブレーキに問題があった)。トップ5は17秒圏内で、まだSSを2本終えただけなので当たり前ともいえるが、ヒュンダイ対トヨタはがっぷり四つの様相で開戦したようである。
一方、最初のSS(SS1)ではトップカテゴリーの“第3勢力”のマシンに大きなアクシデントが発生した。Mスポーツ・フォード(M-SPORT FORD World Rally Team)の#3 テーム・スニネン(フィエスタWRC)である。濡れた舗装路面でマシンが流れ、左サイドの土手に当たったのちに横転、道路外に転落するクラッシュを喫している(スニネンらクルーに大きなケガはない模様)。
今季、トヨタ・ヤリスWRCでのフル参戦が決まった#18 勝田貴元は、初日11位。WRC公式サイトによると両方のSSでスピンがあったらしく、初日終了時の首位との差は1分39秒4。
2021年WRC開幕戦ラリーモンテカルロは現地24日にフィニッシュする予定となっている。
(本稿の順位等は日本時間22日午前4時の時点でのWRC公式サイトの表示に基づくもの)
【WRC 開幕戦】伝統のラリーモンテカルロでシーズンがスタート…2021年もヒュンダイとトヨタで頂点対決
2021年01月22日(金) 09時08分
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