MINIの#300 カルロス・サインツ。《写真提供 Red Bull》

ダカールラリーの2021年大会が現地3日に競技初日を迎えた。2年連続2度目のサウジアラビア開催戦、四輪総合の連覇を目指すカルロス・サインツ(MINI)が初日終了時点の首位に立っている。

年初恒例、世界で最も著名な“冒険ラリー”は昨年(2020年)から「第3章」に入っている。アフリカ、南米に続く戦いの舞台は中東サウジアラビア。2021年大会は2度目のサウジアラビア開催にして、ダカールラリーにとってはコロナ禍での最初の大会ということにもなる(昨年同時期は、まだ新型コロナウイルス問題が深刻化していなかった)。

今年の競技日程は現地1月3〜15日の予定で、サウジアラビアの西側にあるジェッダを発着点として反時計まわりに同国を一周するようなルートで争われる。総走行予定距離は約7700km、カテゴリー合算のエントリー台数は300台弱と見られる。

(*追記注意事項:上記のカテゴリーと台数は、競技方法が異なる新設の「ダカールクラシック」を含まないものであり、1月2日にジェッダで実施されたプロローグランの順位等によると286台の見立て。これにダカールクラシックを加えると310台ほどになる。なお、四輪や二輪などのプロローグランのタイムは競技初日の出走順決定に使われるが、競技上も有効で、初日以降のタイムと合算される)

四輪総合で初日(および初日終了時)首位に立ったのは、X-raid MINI JCW TEAMのカルロス・サインツ(マシンはMINI JOHN COOPER WORKS BUGGY)。息子がF1ドライバーとして活躍する今、ラリー界の重鎮たる父に関してはサインツ・シニアと呼んだ方がいいのかもしれないが、フォルクスワーゲン(2010年)、プジョー(2018年)、そしてMINI(2020年)で計3回のダカール制覇を誇るスペインの英雄は、MINIとともにサウジ大会連覇を目指す。

一方、2019年以来のダカール制覇、“奪冠”を狙うのはトヨタだ。TOYOTA GAZOO Racingのハイラックス(HILUX)を駆るジニール・ドゥビリエ(四輪総合優勝1回)が初日終了時8位、僚友ナッサー・アルアティア(同3回、2019年トヨタに初制覇もたらす)が同10位。おそらく今回もトヨタ対MINIの構図で四輪総合優勝争いは展開されていくものと考えられる。

“日本勢”というところでは、四輪市販車部門のトヨタ車体(TEAM LAND CRUISER TOYOTA AUTO BODY)、トラック排気量10リットル未満クラスの日野(HINO TEAM SUGAWARA)、そして二輪のホンダ(Monster Energy Honda Team)といったところにそれぞれ“連覇”の期待がかかる。トヨタ車体と日野は部門/クラスにおける長期の連覇を継続中。ホンダは昨年、2013年大会からのワークス参戦再開後では初となる二輪総合優勝を飾り、KTMの超長期政権に終止符を打った。今年は当然、2連覇を照準に据える。

昨年はF1王者フェルナンド・アロンソの挑戦やサウジアラビア初開催で例年以上にファンの視線を集めたダカールラリー。今回はアロンソ級の話題こそないが、コロナ禍が続くなか、2021年の世界のモータースポーツシーンの先陣を切る格好での開催ということもあり、やはり注目度は高くなっていきそうだ。

MINIの#300 カルロス・サインツ。《写真提供 Red Bull》 トヨタの#304 ジニール・ドゥビリエ。《写真提供 TOYOTA》 トヨタの#301 ナッサー・アルアティア。《写真提供 TOYOTA》 二輪のホンダ勢、#1 リッキー・ブラベック。《写真提供 Honda》 サウジアラビアでは2度目の開催となったダカールラリー、現地15日まで熱戦が続く予定。《写真提供 TOYOTA》