フォルクスワーゲン・ゴルフ 新型《photo by VW》

フォルクスワーゲン(Volkswagen)は12月8日、新世代のガソリンターボエンジン、「TSIエボ」を欧州で発表した。

TSIエボには、2種類の排気量が用意される。1.0リットルは直列3気筒、1.5リットルは直列4気筒で、どちらもターボが付く。TSIエボは、新型『ゴルフ』をはじめ、『パサート』、『Tクロス』、『ティグアン』など、ほぼすべての製品ラインナップで利用できる。

コンパクトなTSIエボエンジンは、1.0リットル直列3気筒が最大出力90〜115ps、1.5リットル直列4気筒が最大出力130〜150psを引き出し、力強いパフォーマンスと高効率を兼ね備えている。

◆新型ゴルフの燃費は23.2km/リットル

また、TSIエボエンジンは、新型ゴルフファミリーでは、マイルドハイブリッドシステムと組み合わせられる。新型ゴルフの「1.0 eTSI」は、最大出力110ps、最大トルク20.4kgm/2000〜3000rpmを発生する。最高速は202km/h。

このエンジンには、48ボルトのマイルドハイブリッドシステムが組み合わせられる。これにより、走行性能が向上するとともに、燃料消費が抑えられる。システムは、ベルト駆動式スタータージェネレーター、48ボルトのリチウムイオンバッテリー、最新世代の効率的なTSIエンジンで構成された。その具体的なメリットは、燃料消費量が最大10%削減されること。新型ゴルフの場合、欧州複合モード燃費は23.2km/リットル、CO2排出量98g/km(いずれもNEDC:新欧州サイクル)の環境性能を備えている。

また、このエンジンは、発進時の俊敏性と快適性も向上させた。eTSIには、3種類の出力レベル(110ps、130ps、150ps)が用意されている。

気筒数とパワーに応じて、コンパクトなTSIエボエンジンは、さまざまな技術が導入されている。最大出力130psの4気筒と3気筒エンジンには、エンジンの燃焼プロセスをミラーサイクルとした。これにより、とくにエンジン負荷が高い領域において、燃費を向上させる。圧縮比は4気筒エンジンで12.5:1、3気筒エンジンで11.5:1と、高圧縮比を可能にしている。

◆量販セグメントのガソリンエンジン初の可変ジオメトリーターボ

ターボチャージャーには、量販セグメントのガソリンエンジンとしては初めて、可変ジオメトリーターボ(VTG)を採用した。これにより、最大出力130psの4気筒エンジンで最大2.3バール、3気筒エンジンで2.8バールのブースト圧を可能にした。その結果、エンジンは低回転域から力強いトルクを引き出す。1.0 TSIエンジンでは、ターボチャージャーは最高で、950度の排気ガス温度に耐えることができるという。

1.5リットルエンジンには、「アクティブ・シリンダー・マネジメント(ACT)」を搭載する。ACTは、エンジンへの負荷がそれほど大きくない場合、4気筒のうち2気筒を休止させて燃費の向上を図るシステムだ。これにより、燃料消費を削減する。システムはスムーズに作動するので、走行中に違和感を覚えることはないという。アクセルを踏み込めば、ACTは解除される。

◆3気筒エンジンの重量は88kgの軽量設計

TSIエボエンジンには、アルミ製クランクケースが使用されており、軽量設計とした。3気筒エンジンの単体重量は88kgだ。

最大出力150psの3気筒エンジンと4気筒エンジンはどちらも、クランクシャフトの摩擦を低減するテクノロジーを導入した。シリンダーの壁には、100マイクロメートルという薄い金属コーティングが施された。1.5TSIと1.0TSIは、シリンダーヘッドにエキゾーストマニホールドを組み込むことにより、エンジンの暖気を早め、排気ガス処理の早期開始を可能にしている。

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