高さ30mから新車を落下させるボルボカーズの衝突テスト《photo by Volvo Cars》

ボルボカーズ(Volvo Cars)は11月13日、新車を30mの高さから落下させ、レスキューチームの活動を支援する取り組みを開始した、と発表した。

従来、スウェーデン国内のレスキューチームは、ボルボカーズのセーフティセンターのクラッシュテスト後の車両を使用して、交通事故時の救助技術を磨いてきた。また、レスキューチームは通常、訓練用の車両をスクラップヤードから入手する。しかし、これらの車両は20年以上前のものであることが多く、鉄の強度、車体構造、全体的な耐久性の点で、現代の車と大きな違いがある。

救助隊員があらゆる事故状況に備え、通常のクラッシュテストではシミュレーションできないような最も過酷な衝突時に発生する状況を再現するために、ボルボカーズは最新のボルボ車をクレーンで30mの高さから落下させるテストを行った。

この方法により、例えば超高速での単独事故、高速でのトラックへの追突事故、側面からの激しい衝突事故など、非常に過酷な衝突事故を想定した場合の車体の損傷を、充分に再現することができるという。このような状況では、乗員が危篤状態に陥る可能性があるため、「ジョーズ・オブ・ライフ」と呼ばれる油圧式の救助器具を使用し、できるだけ早く車内から乗員を救出し、病院に搬送することが求められる。

今回は、車種の異なる合計10台のボルボ車が、クレーンから落下された。落下前に、ボルボカーズのセーフティエンジニアたちは、想定している損傷レベルに到達させるためには、各車がどのくらいの衝撃にさらされる必要があるか、正確に計算した。

最新のボルボ車は、現代の基準に合致した最も硬い鋼鉄を多用して作られている。このため、レスキュー隊員は、新しい救出技術を開発するために、常に最新の車種に慣れ親しみ、救助プロセスを見直し、トレーニングすることが非常に重要という。

衝突事故とその救出作業から得られたすべての知見は、調査報告書にまとめられる予定だ。この報告書は、全てのレスキュー隊員が無料で利用できるようになり、得られたすべての知見から、それぞれの救命技術をさらに向上させることが可能になる、としている。

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