日産自動車、2020年度上期決算を発表《写真提供 日産自動車》

日産自動車は11月12日、2021年3月期の第2四半期(4〜9月期)連結決算を発表した。コロナ禍の影響などで営業損益は1588億円の赤字(前年同期は316億円の黒字)となった。新車市場の回復などを織り込み、通期の業績は赤字幅の縮小へ修正した。

第2四半期のグローバル販売は、前年同期比32%減の169万9000台だった。海外は販売正常化への取り組みを進めている米国が41%減の39万8000台と苦戦が続いた一方、市場回復が進む中国は17%減の59万6000台となった。日本は軽自動車の新モデルが比較的好調となったものの、登録車が振るわず28%減の20万4000台だった。

第2四半期3か月間(7〜9月期)の営業赤字は48億円と、1539億円だった第1四半期の赤字から大きく改善した。販売の減少による悪化影響は1715億円に及んだが、固定費などの改善で1063億円、販売費用やコストの改善でも449億円の増益効果を確保した。純損益は、事業構造改革費用540億円などの特別損失計上もあって3300億円の欠損(前年同期は654億円の黒字)となった。

通期の業績予想は、前提となるグローバル販売を従来比で4万台上方修正し、416万5000台(前期比16%減)に見直した。日本や北米、欧州などで小幅ながら増加へと修正した。これらにより、営業損益予想は従来比で1300億円の改善となる3400億円の赤字に修正した。純損益も550億円改善の6150億円の欠損に見直した。

オンラインで記者会見した内田誠社長は、第2四半期について「過度にストレッチした台数を追わずに、販売の質の向上に注力するという取り組みや固定費削減が着実にできている。それが上期の成果と評価している」と述べた。

第3四半期以降については、収益改善を左右する固定費の削減計画を「一切の妥協なく推進する」とし、「上期のモメンタムを下期も持続させ、(中期計画で掲げる)2021年度の売上高営業利益率2%の達成による黒字化に必ずつなげていきたい」と強調した。

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