BMWの新型 M4 クーペ と初代 M3 (1989年式)のワンオフモデル《photo by KITH》

BMWは10月15日、米国ニューヨーク発のファッションブランド、「KITH」(キス)と協力して、初代『M3』(1989年式)と新型『M4クーペ』のワンオフモデルを発表した。

◆モータースポーツでも活躍した初代M3

初代M3は1985年に発表された。『M1』用の3.5リットル直列6気筒エンジンから2気筒削って開発された2.3リットル直列4気筒エンジンは、最大出力200psを発生した。0〜100km/h加速は6.7秒、最高速は230km/hと、スポーツカー顔負けのパフォーマンスを誇った。

また、初代M3はモータースポーツでも活躍した。1987年に世界ツーリングカー選手権を制したのをはじめ、同年のコルシカラリーでも栄冠を獲得した。初代M3は1990年に生産を終了するまで、累計1万7970台を販売するヒット作となった。

◆縦長グリルが特長の新型M4クーペ

一方、新型M4クーペは、新型『4シリーズクーペ』がベースの高性能なMモデルだ。ベース車両の新型4シリーズクーペと同様、縦長デザインのフロントグリルが採用された。ただし、グリルの内部は、新型4シリーズクーペのメッシュパターンから、新型M4クーペでは横バーを配した専用デザインに変更された。フレームレスのキドニーグリルと、その両側の大型エアインテークが空気の流れを最適化するとともに、高性能エンジンの冷却性を高めている。

フロントフェンダーには、エアダクトが追加された。前後バンパーやサイドシルは、エアロダイナミクス性能を追求した専用デザインだ。フロントバンパーの両サイドには、エアカーテンと一体化されたフリックが付き、高速域でのエアロダイナミクスを追求している。

リアスポイラーや4本出しで直径100mmのMテールパイプを組み込んだディフューザーも装備される。エグゾーストシステムには、電子制御フラップが付き、スポーティなサウンドを発生する。軽量化のために、フィンを備えたカーボンファイバー製ルーフが採用された。オプションで、「Mカーボンエクステリアパッケージ」が選択できる。

◆最大出力は480hpと510hpの2種類

パワートレインには、最新のBMW Mツインパワーターボテクノロジーを採用する。このエンジンは、「S58」型と呼ばれる直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンツインターボユニットだ。

BMW Mの他の高性能モデルと同様に、新型M4クーペには、2つのパフォーマンスレベルが用意される。標準仕様は、最大出力が480hp/6250rpm、最大トルクが56.1kgm/2650〜6130rpmだ。トランスミッションは6速MT。BMWによると、純粋なパフォーマンス体験と、車両をダイレクトに操る感覚を好む顧客にとって、マニュアルトランスミッションモデルのバリエーションは、このセグメントで唯一の設定になるという。

動力性能は、0〜100km/h加速が4.2秒、最高速が250km/h(リミッター作動)。オプションの「Mドライバーズパッケージ」では、最高速が290km/h(リミッター作動)に引き上げられる。

さらなる高性能を求める顧客には、「コンペティション」を設定する。直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力が510hp/6250rpm、最大トルクが66.3kgm/2750〜5500rpmに高められた。トランスミッションは「ドライブロジック」を搭載した8速「Mステップトロニック」を組み合わせる。

動力性能は、0〜100km/h加速が3.9秒、最高速が250km/h(リミッター作動)。オプションのMドライバーズパッケージでは、最高速が290km/h(リミッター作動)に引き上げられる。

◆KITH創設者が所有する初代M3をフルレストア

BMWは米国ニューヨーク発のファッションブランド、「KITH」(キス)と協力して、初代M3(1989年式)と新型M4クーペのワンオフモデルを発表した。初代M3は「E30ロニー・ファイグ・エディション」と命名された。

この初代M3は、KITHブランドを立ち上げたロニー・ファイグ氏が所有している1台だ。ロニー・ファイグ氏は初代M3のフルレストアを、ドイツのBMW本社に依頼した。BMWは「BMWクラシックパーツ」を使用して、レストア作業に着手。オリジナル部品は、この初代M3が製造された1989年の設計仕様に対して100%本物であることが保証され、フルレストアが完成した。

また、ロニー・ファイグ氏の好みを反映させたカスタマイズも施された。ボンネット、トランク、アルミホイール、ステアリングホイールには、「Kith BMW Roundel」のエンブレムが装備された。トランクには「Kith Motorsport」のエンブレムを追加する。モノグラムレザーのインテリアには、シートに「Kith」のロゴがエンボス加工されている。

◆初代M3と同じ赤で新型M4クーペを塗装

一方、新型M4クーペのワンオフモデルは、「M4 デザインスタディ」と命名された。専用のカスタマイズが施されており、その狙いは、初代M3からの進化を表現すること。BMWとKITHは協力して、初代M3のイメージを、新型M4クーペに適用した。

ボディカラーは、すでに廃番となった「シナバーレッド」を復刻した。トランクには、KithMotorsportのエンブレムを装備した。室内は、ヘッドレストにKithのロゴを追加した。モノグラムレザーのインテリアには、シートにKithのロゴがエンボス加工されている。

なお、両車はワンオフモデルであり、販売の予定はない。KITHは、今回のBMWとの協力で重視したのは、過去と現在を橋渡しすること、としている。

BMWの初代 M3 (1989年式)と新型 M4 クーペ のワンオフモデル《photo by KITH》 BMWの新型 M4 クーペ と初代 M3 (1989年式)のワンオフモデル《photo by KITH》 BMWの初代 M3 (1989年式)のワンオフモデル「E30ロニー・ファイグ・エディション」《photo by KITH》 BMWの初代 M3 (1989年式)のワンオフモデル「E30ロニー・ファイグ・エディション」《photo by KITH》 BMWの初代 M3 (1989年式)のワンオフモデル「E30ロニー・ファイグ・エディション」《photo by KITH》 BMWの初代 M3 (1989年式)のワンオフモデル「E30ロニー・ファイグ・エディション」《photo by KITH》 BMWの初代 M3 (1989年式)のワンオフモデル「E30ロニー・ファイグ・エディション」《photo by KITH》 BMWの初代 M3 (1989年式)のワンオフモデル「E30ロニー・ファイグ・エディション」《photo by KITH》 BMWの初代 M3 (1989年式)のワンオフモデル「E30ロニー・ファイグ・エディション」《photo by KITH》 BMWの初代 M3 (1989年式)のワンオフモデル「E30ロニー・ファイグ・エディション」《photo by KITH》 BMWの初代 M3 (1989年式)のワンオフモデル「E30ロニー・ファイグ・エディション」《photo by KITH》 BMWの初代 M3 (1989年式)のワンオフモデル「E30ロニー・ファイグ・エディション」《photo by KITH》 BMWの新型 M4クーペ のワンオフモデル「M4 デザインスタディ」《photo by KITH》 BMWの新型 M4クーペ のワンオフモデル「M4 デザインスタディ」《photo by KITH》 BMWの新型 M4クーペ のワンオフモデル「M4 デザインスタディ」《photo by KITH》 BMWの新型 M4クーペ のワンオフモデル「M4 デザインスタディ」《photo by KITH》 BMWの新型 M4クーペ のワンオフモデル「M4 デザインスタディ」《photo by KITH》 BMWの新型 M4クーペ のワンオフモデル「M4 デザインスタディ」《photo by KITH》 BMWの新型 M4クーペ のワンオフモデル「M4 デザインスタディ」《photo by KITH》