QRコード《写真提供 デンソー》

デンソーとデンソーウェーブは10月7日、1994年に開発した2次元コード「QRコード」が「IEEEマイルストーン」に認定されたと発表した。

IEEEマイルストーンは、電気・電子分野にて、社会や産業の発展に貢献をした歴史的な業績を表彰するもの。米国IEEEが1983年に制定し、2019年末時点では、全世界で207件をIEEEマイルストーンに認定。デンソーグループとしては、今回が初の認定となる。

デンソーウェーブ(当時はデンソーの応用機器技術部門)は、「読み取りやすく、大容量の情報が扱える」というコンセプトのもと、1994年にQRコードを開発。バーコードの約200倍の情報が扱え、高速に読み取ることができる画期的な2次元コードで、主に社内の製造現場における在庫管理などで活用を開始した。

その後、特許を無償開放し普及活動に注力した結果、1990年代後半には、製造業を中心に、品質、製品出荷、在庫などの管理業務で利用が始まり、さらに、食品や薬品など異なる業界でも商品管理などの分野で利用が拡大。2000年代前半には、カメラ機能を搭載した携帯電話の普及とともに、人々の生活の中にも広がり、近年では、電子チケットや電子決済など多様なシーンで利用されている。

今回、QRコードが世界中の企業の製造・管理業務の改善に寄与したことや、電子決済などの多様なアプリケーションで利用されていることがIEEEから高く評価された。

デンソーウェーブでは、開発から25年以上たった現在も、QRコードの新たな機能開発を続けている。1つのコードに「公開用」と「非公開用」の2種類のデータが格納できる「SQRC」、人の顔の特徴をQRコード化できる「顔認証SQRC」、自由なデザインとセキュリティを両立した「フレームQR」などを開発し、本人確認や、偽造品対策、電子チケット生成などの分野に展開していく予定だ。

QRコード《写真提供 デンソー》 IEEE《写真提供 デンソー》