スマートフォンアプリ Horai《写真提供 アイシン精機》

アイシン精機は9月28日、観光地や商業施設の体験価値向上や、移動中の顧客に対するOne 2 Oneマーケティングを実現する手法の確立をめざし、スキームヴァージ社と協業すると発表した。

スキームヴァージ社は、東京大学発の都市開発スタートアップ企業。MaaSを活用して滞在体験価値を高めるデータ駆動型エリアマネジメントを通じ、分散ネットワーク型の都市開発実現を目指している。

今回の協業では、アイシン精機の開発した移動中の乗員ステータスを予測するリズムプラットフォーム(RHYTHM PFM)と、スキームヴァージ社によるモビリティ関連データの分析を用いた観光地等の顧客体験向上ソリューションを組み合わせ、移動中の訪問先紹介や地域の人と交流できる仕組みを構築する。

この仕組みは、「ある場所を訪問する際、到着までの移動時間が訪問先での体験のプロローグ(序章)になる」という考えのもと、移動中に訪問先の概要や、体験を深めるための事前情報を音声・動画コンテンツで配信するなど、到着前から始まる「おもてなし」を実現するもの。

また、この仕組みによって、移動中や訪問先で「どのような人が、どんなタイミングで、どのような行動をとったか」というデータを取得。このデータを解析することで、顧客に対する「おもてなし」の質を改善するだけでなく、訪問先の地域にとっての課題を見つけ出し、地域活性化のための新たなサービスや取り組みに繋げていく。

両社は、2021年春頃より瀬戸内海・小豆島にて、この仕組みの効果検証を行うための実証実験を予定している。タクシーや自家用車などの車内で、世界的に注目を浴びる瀬戸内海・小豆島のアート作品の概要に加え、作家の生い立ち、作品への思い、作品に対する有識者の評価などを「RHYTHM PFM」によって配信。プロローグとなる「おもてなし」を行うとともに、スキームヴァージ社の「Horai」アプリから取得できるデータから、顧客体験価値向上効果やOne 2 Oneマーケティング効果について定量・定性的に検証する。