ギャレット・モーション(Garrett Motion)は、メルセデスAMGの将来の市販車向けに、世界初の「Eターボ」を開発していると発表した。
ギャレット・モーションとメルセデスAMGのプロジェクトは現在、開発の最終段階にある。ギャレット・モーションの技術には、最大17万rpmで回転するターボチャージャーだけでなく、非常に高温の条件下でも高速で作動する電気モーターなどがある。ギャレット・モーションは、電気モーターをサポートするパワーエレクトロニクスハードウェアと制御ソフトウェアも開発した。
電動ターボシステムのハイライトは、排気側のタービンホイールと外気側のコンプレッサーホイールの間のチャージャーシャフトに組み込まれている約40mmのスリムな電気モーターだ。この電気モーターが、コンプレッサーホイールを駆動する。ターボチャージャーの電動化により、アイドリング領域からのレスポンスと、エンジン回転数全域でのレスポンスが大幅に向上するという。
既存のターボチャージャーの課題のターボラグは、電気モーターによって解消される。その結果、エンジンはアクセルペダルの入力に対して、さらに反応が良くなり、運転フィール全体が大幅にダイナミックで俊敏になるという。
さらに、ターボチャージャーの電動化により、低エンジン回転数で、より高いトルクが得られる。これにより、俊敏性が高まり、停止状態からの加速性能が向上する。ドライバーがアクセルペダルから足を離したり、ブレーキをかけたりした場合でも、電動ターボチャージャー技術によりブースト圧を維持できるため、常にダイレクトなレスポンスが可能になるという。
電動ターボチャージャーは最大17万rpmの速度で回り、高速で空気の流れを作り出す。電動ターボチャージャーは、48Vの電気システムによって作動する。ターボチャージャー、電気モーター、パワーエレクトロニクスは、エンジンの冷却システムに接続されており、常に最適な温度環境を作り出す。
Eターボは、メルセデスAMGの将来の市販モデルに最初に採用される予定だ。Eターボは、自動車メーカーのハイブリッドを含めた将来の電動パワートレイン開発を支援するためのテクノロジーの一例、としている。
メルセデスAMG、電動ターボ採用へ…開発にギャレット参画
2020年07月28日(火) 21時00分
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