ドクターヘリ《写真AC》

経済産業省は6月22日、日本産業規格(JIS)を改正して「救急自動通報システムの障害推定アルゴリズム」を制定したと発表した。

JISは、鉱工業品、データ、サービスの品質、性能や試験方法などを定めた国家規格で、社会的環境の変化に対応して制定・改正している。

救急医療の現場でドクターヘリが導入され、救命率の向上に大きく貢献しているが、救急隊が現場到着後、要否を判断することが一般的で、迅速にドクターヘリを急行させるという点で課題があった。このため、交通事故の事故車両に加わった衝突の方向や大きさなどからドクターヘリ出動要請を出すべきか否かを自動的に判定するための救急自動通報システム「D-Call Net」の導入が進んでいる。

今回、システムに用いられる傷害推定アルゴリズムの作成と評価方法をJISとして制定した。JISに基づくシステムの普及によって、これまで主に救急隊員の現場到着後に行われていたドクターヘリの要請が的確、迅速、自動的にできるようになり、交通事故死者数の低減に寄与することが期待されるとしている。

救急自動通報システム(D-Call Net)の概要《画像提供 経済産業省》