電気自動車モータ用高速回転グリース潤滑玉軸受《画像:ジェイテクト》

ジェイテクトは5月28日、電気自動車(EV)における駆動ユニットのモータ用として世界最速となるdmn(ピッチ円直径/回転速度)150万以上の高速回転を可能にしたグリース潤滑玉軸受を開発したと発表した。

近年、自動車の燃費・電費の向上に直結するモータの小型・高出力化が進んでおり、モータを支持する軸受にはさらなる高速回転性能が要求されている。そのため、高速回転下でも破損や焼付きが発生しない軸受の開発が課題となっていた。

軸受の高速化技術として、冠型の樹脂保持器の形状を工夫する手法が一般的だが、高速回転化による遠心力の増大により、保持器の変形や他部品との干渉による破損や、焼付きという問題が発生。ジェイテクトでは、冠形の保持器とは全く異なった新形状の保持器の開発と、独自開発のグリース採用によって、さらなる高速化に対応することを可能にした。

ジェイテクトは、新開発のグリース潤滑玉軸受を2025年より量産を開始。モータの小型・高出力化による高速回転化に対応し、電費の向上と航続距離の延長に貢献する。

<おわび> dmn値に誤記がありました。正しくは150万です。訂正して再出力しました。

開発品の特徴《画像:ジェイテクト》 評価結果《画像:ジェイテクト》