フォルクスワーゲンインダストリアルクラウドの全世界の生産拠点への導入イメージ《photo by VW》

フォルクスワーゲングループ(Volkswagen Group)は4月29日、「フォルクスワーゲンインダストリアルクラウド」の開発を強化すると発表した。

フォルクスワーゲンインダストリアルクラウドは、アマゾンウェブサービスと共同開発しているもの。これにより、フォルクスワーゲングループは、生産と物流の切れ目のないデジタル化のための基盤を構築する。

長期的には、1500社以上のサプライヤーが持つ3万以上の生産拠点を含めたフォルクスワーゲングループのグローバルサプライチェーンを網羅する計画だ。さらに将来的には、フォルクスワーゲンインダストリアルクラウドは他のパートナーも、プラットフォームとして利用できるようにしていく。

フォルクスワーゲンインダストリアルクラウドの開発を通して、フォルクスワーゲングループは生産と物流のシームレスなデジタル化の基盤を築く。これまでは工場間で違いがあったが、今後は、生産計画や在庫管理など、機械、設備、システムの生産レベルでのITは、フォルクスワーゲングループの122の生産工場全てで標準化され、ネットワーク化される。

データ交換が容易なクラウドベースのプラットフォームは、フォルクスワーゲングループが、さまざまな場所で迅速に新しいテクノロジーとイノベーションを提供するために、不可欠な前提条件になるという。これらには、スマートロボット工学、それぞれの工場での製造プロセスの分析とチェックのためのデータ分析機能が含まれる。クラウドベースのプラットフォームを使用すると、例えば、製造現場のシステムセキュリティなどの新しいアプリケーションを、世界中のあらゆる場所に直接展開することができる。

フォルクスワーゲングループは2025年までに、全世界の工場の生産性を30%向上させる計画だ。フォルクスワーゲンインダストリアルクラウドは、この目標を達成するための重要なカギになる、としている。