ルマン24時間レース(2019年大会の模様)《写真提供 TOYOTA》

6月開催を原則とする「ルマン24時間レース」(四輪)の2020年大会が、9月19〜20日を決勝日とする日程に延期されることが決まった。新型コロナウイルス問題の影響によるもので、欧州時間3月18日に発表されている。

特に欧米で深刻化の様相を呈している新型コロナウイルス問題が、ついに四輪モータースポーツの“本丸”ともいえる伝統的ビッグイベントに直接的な影響を及ぼすことに。夏至に近い時期の開催が基本であるルマン24時間レース(フランス)の主催団体ACOは、FIAや世界耐久選手権(WEC)のシリーズ運営サイドと協議した結果、6月13〜14日を決勝日とする日程でスケジュールされていた2020年大会の延期を決めた。

延期決定とともに新たな開催日程も発表されており、それは決勝日ベースで9月19〜20日となっている(北半球の秋に大一番の延期開催が集中する傾向、ここにも!?)。

ルマン24時間レースはWECの一戦でもあり、現在は年を跨ぐかたちのシーズン制度における最終戦の役割も担っている。2020年大会は「2019/2020シーズン」のWEC最終戦であり、この位置付けは9月開催になっても不変と考えていいだろう。

2020年9月は本来ならば次なる2020/2021シーズン開幕の時節だが、同シーズンのカレンダーは抜本的な変更を受けるものと見られる(暫定カレンダーにおける2020/2021シーズンWEC開幕戦は、9月5日決勝の英国シルバーストン戦だった)。

ルマン延期声明のなかでは「ルマンの延期は、WECはもちろんとして欧州ルマン・シリーズ(ELMS)など関連シリーズの日程見直しも伴うものだ。それらについては後日、延期されたルマンの詳細とともに発表される」との旨も記されている。

WECの“今季”2019/2020シーズンに関しては当初予定8戦のうち5戦を現在までに終了。しかし3月中旬に新型コロナウイルス感染拡大が欧米で顕著なものとなってから、3月開催予定の第6戦セブリング(米国)がキャンセルされ、4月開催予定だった第7戦スパ・フランコルシャン(ベルギー)は延期扱いに(いずれも既報)。このスパ戦の新たな日程やシーズン的処遇等については現時点で未定のままなのだが、それらより先にルマンの新日程が(延期と同時に)発表される格好となった。

とにもかくにも、とどまるところを知らない新型コロナウイルス問題の影響。ルマン3連覇へのトヨタのチャレンジは、約3カ月の“時期ずれ挙行”ということになる。

ルマン24時間レース(2019年大会の模様)《写真提供 TOYOTA》 ルマン24時間レース(2019年大会の模様)《写真提供 TOYOTA》 ルマン24時間レース(2019年大会の模様)《写真提供 TOYOTA》 ルマン24時間レース(2019年大会の模様)《写真提供 TOYOTA》