勝田貴元(2019年WRCドイツ戦)《写真提供 TOYOTA》

トヨタのトップラリースト育成計画「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラム」は13日、育成ドライバーの勝田貴元が来季2020年のFIA世界ラリー選手権(WRC)のうち8戦に「ヤリスWRC」を駆って参戦すると発表した。最終戦ラリージャパンも含まれる。

現在26歳の勝田貴元は今季2019年、WRCの「WRC2」クラスを活動の主舞台としつつ、トヨタのトップカテゴリー参戦マシンである「ヤリスWRC」での実戦経験も重ねてきた。フィンランド・ラリー選手権(2戦2勝)、WRCラリージャパンのプレイベントとして開催された「セントラルラリー愛知・岐阜」(国際格式部門優勝)、そしてWRCにおいてもドイツとスペインの両戦で“トップカテゴリー”参陣を果たしている。

続く来季2020年、勝田はWRCの半数以上にあたる8戦で「ヤリスWRC」をドライブできることに。「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラム」は、WRCトップカテゴリーにレギュラー参戦できる日本人選手の輩出を目指しており、その一歩手前ともいえる状況まで勝田が辿り着いたことになる。

勝田が「ヤリスWRC」で参戦する予定の来季WRCイベントは下記の通り。愛知県出身の勝田にとってはまさしく地元戦となる“復活初回”のラリージャパンも含まれている。コ・ドライバーはダニエル・バリットが務める。

モナコ(1月23〜26日)
スウェーデン(2月13〜16日)
ポルトガル(5月21〜24日)
イタリア(6月4〜7日)
フィンランド(8月6〜9日)
ドイツ(10月15〜18日)
英国(10月29日〜11月1日)
日本(11月19〜22日)

勝田貴元のコメント
「まず、この素晴らしい機会をつくってくださった方々に感謝の気持ちをお伝えしたいです。2020年は新たな挑戦になります」

「今年参戦したラリー1戦1戦全てがとても良い経験になり、なかでもWRCトップカテゴリーに参戦できたことはとても大きなステップになりました。ヤリスWRCで参戦したラリーからの学びは多く、トップを目指すためにはドライビング技術やペースノートのレベルを上げることが必要だと分かりました」

「来シーズン、自分がどこまで成長できるか本当に楽しみです。年間を通して良い走りをお見せできるよう頑張ります。シーズンの幕開けに向けて本当に気持ちが高まっています」

順調に運べば、2020年のラリージャパンは勝田にとって通算10戦目のWRCトップカテゴリー出走(ヤリスWRCでのWRC出走)となる。10年ぶりに復活するラリージャパンに日本人選手が日本のトップカテゴリー参戦マシンで(ある程度の経験を積んでから)参戦という、理想的な構図が実現することとなった。

なお、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)の来季WRCレギュラー参戦ドライバー3人は、今季からのフルチェンジで、セバスチャン・オジェ、エルフィン・エバンス、カッレ・ロバンペラに決定済み(既報)。また、WRC公式サイトの情報によれば、今季レギュラーだったドライバーのひとり、ヤリ-マティ・ラトバラが来季も数戦でヤリスWRCのステアリングを握る見込みだという。

2020年のWRCは開幕戦が1月23〜26日のラリーモンテカルロで、最終戦がラリージャパンというスケジュール。全14戦でカレンダーは発表されたが、「4月のチリ戦キャンセルで全13戦に」との報道も昨今ある(WRC公式サイトは日本時間19年12月13日時点で、チリを含む全14戦の来季カレンダーを掲載している)。

勝田貴元(2019年WRCドイツ戦)《写真提供 TOYOTA》 勝田貴元の#17 ヤリスWRC(2019年WRCドイツ戦)《写真提供 TOYOTA》 勝田貴元の#17 ヤリスWRC(2019年WRCドイツ戦)《写真提供 TOYOTA》 勝田貴元の#17 ヤリスWRC(2019年WRCドイツ戦)《写真提供 TOYOTA》