キャデラック『XT6』とGMジャパンの若松格社長《撮影 山田清志》

ゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン)の若松格社長は12月3日、東京・海岸のレストランで開催した高級SUV、キャデラック『XT6』の発表会で今後の戦略について触れ、「キャデラックはラグジュアリーモビリティの頂点を目指す」と述べた。

GMは2015年に発表した「キャデラック10カ年計画」のもと、ブランドを刷新しようと取り組んでいる。「そのために商品に投資をして、お客さまの体験をもっと豊かにしようということを第1のフェーズでやってきた。現在、私たちは第2フェーズにいる。第2フェーズは『加速する』というのがテーマで、第1フェーズで投資、開発した商品を世に出して飛躍することだ」と若松社長は説明する。

その計画が奏功し、キャデラックは2018年にグローバル販売で38万台を超え、1978年に記録した過去最高の販売台数36万台を抜き、40年ぶりに販売記録を更新した。2019年も販売は好調で、21年には55万台の販売台数を達成するという大きな目標を掲げている。

その大きな牽引役として同社が期待しているのが、今回発表した高級SUVのXT6だ。そのウリは「世界トップクラスの室内空間と最新の安全装備を標準で搭載したこと」(若松社長)である。

3列シートで、2列目シートの間には通路があり、そこを通れば3列目シートへのアクセスが容易にできる。もちろんレッグスペースとヘッドクリアランスは十分なゆとりがあり、6人の乗員全員が快適でゆったりとしたドライブを楽しめることができるという。

さらに、乗員全員の快適性を実現するため、各シートの温度を最適化するイオン発生器を備えたトライゾーン空調システムをはじめ、シートヒーター(1、2列目)、ベンチレーションシート(1列目)、ウルトラビューパノラマサンルーフ、クラストップの静粛性を可能にしたアクティブノイズキャンセレーション技術など、多彩な装備を搭載した。

インテリアも豪華で、インサート材、トリム表皮、ルールライナーのスウェード材、またセミアニリン仕上げの本革シートやこだわりのクラフトマンシップから生まれたウッド装飾など、厳選された上質な素材を採用している。オーディオサウンドでは、特別にチューニングされたBOSEの14個のスピーカーが搭載され、まるでコンサート会場にいるような音を醸し出すという。

そして安全面では、対向車を直接照らすことなく常に最適な夜間の視界を確保するインテリジェント・マトリックスLEDヘッドランプを標準装備するほか、アダプティブクルーズコントロール、サイドブラインドゾーンアラート、リアカメラミラー、歩行者対応リアブレーキなど20以上の最新安全装備を搭載。「セグメントで最も充実した標準安全装備を誇っている」と若松社長も胸を張る。

パワートレインは3.6リッターV6エンジンで、最高出力が314psのAWD(四輪駆動)。「このエンジンは鋭いレスポンスがあり、加速性能も大変高い。一方で、燃費にも大変優れている。6気筒のエンジンをエコモードで4気筒に最適化して無駄な燃費消費を抑える。これに新しく9速オートマチックトランスミッションを搭載した」と若松社長。

今後もキャデラックには、GMが開発した新しい技術を真っ先に搭載し、高級車市場をリードしていくという。「これから約半年ごとに新しいモデルを投入していく」(若松社長)そうで、キャデラックの攻勢がこれから始まりそうだ。

キャデラック『XT6』のリア《撮影 山田清志》 キャデラック『XT6』の運転席《撮影 山田清志》 キャデラック『XT6』のエンジンルーム《撮影 山田清志》 GMジャパンの若松格社長《撮影 山田清志》 キャデラック10カ年計画《撮影 山田清志》