シボレー・コルベット C8.R《photo by Chevrolet》

GMのシボレーブランドは10月2日、新型『コルベット・スティングレイ』(Chevrolet Corvette Stingray)のレーシングカー、『コルベットC8.R』(Corvette C8.R)を米国で発表した。

◆過去20年のレースで得たノウハウを開発に反映

現行レーシングカーの『コルベットC7.R』は2014年1月、米国で開催されたデトロイトモーターショー2014で発表された。市販車の『コルベットZ06」と開発は並行して行われ、シャシー構造、エンジン技術、エアロダイナミクスなど、エンジニアリングや部品において、大幅な共有化が図られている。

1999年以来、現在までの20年間に、ワークスチームの「コルベット・レーシング」は、107のレースで勝利してきた。これには、13のチームチャンピオンシップと12のドライバー&メーカータイトルが含まれている。シボレーによると、北米のプロスポーツカーチームとしては、最多勝利記録になるという。

2015年、コルベット・レーシングは15年ぶりにスポーツカーチームとなった。2015年シーズンには、デイトナのロレックス24、セブリング12時間、ルマン24時間という世界の3つの耐久レースを制している。

過去20年間にサーキットで成功を収めたコルベット・レーシングは、世界中のサーキットにおいて、コルベットのトップラインパフォーマンスカーの開発などに貢献してきた。その成果を反映しているのが、最新のコルベットC8.Rだ。

◆市販車と同じミッドシップレイアウト

シボレーは今回、新型コルベット・スティングレイをベースにしたレーシングカー、コルベット C8.Rを発表した。車名の「8」は、8世代目を意味する。シボレーは市販車同様、コルベット C8.Rもミッドシップ化している。

コルベットC8.Rは、新型コルベット・スティングレイの単なるレースバージョンではない。GMのデザイン、パワートレイン、エンジニアリング、コルベット・レーシングチームの長年にわたるテストと開発の集大成になるという。関係部門のコラボレーションにより、市販車とレーシングカーの性能を、公道とサーキットで次のレベルに引き上げることを目指した。

◆パワートレインは未公表

コルベットC8.R は、新型『コルベット・スティングレイ・コンバーチブル』の発表の場において、2台が初公開された。コルベットC8.R の4号車は、1973年のシボレー『エアロベット』や1959年の『コルベット・スティングレイレーサー』など、象徴的なコルベットコンセプトのボディカラーに触発され、新しいシルバーのカラーリングを施した。この4号車には、イエローのアクセントが添えられる。

もう1台の3号車は、過去20年間の「GTLM」レーシングのコルベットの成功の血統を受け継いでいるのが特長だ。シルバーのアクセントを備えた伝統的なイエローが使用されている。

新型のミッドシップには、市販車の場合、直噴6.2リットルV型8気筒ガソリンエンジンが搭載される。このセグメント唯一の自然吸気エンジンには、ドライサンプオイル潤滑システムや気筒休止システムを採用した。パフォーマンスエグゾースト装着車の場合、最大出力は495hp/6450rpm、最大トルクは65kgm/5150rpmを引き出す。

一方、現行レーシングカーのコルベットC7.Rには、定評ある直噴5.5リットルV型8気筒ガソリンエンジンが搭載されてきた。新型ベースのコルベットC8.Rのパワートレインに関しては、現時点では発表されていない。

なお、コルベットC8.R は2020年1月、米国フロリダ州デイトナで開催される「ロレックス24」で、実戦デビューを果たす予定だ。

シボレー・コルベット C8.R《photo by Chevrolet》 シボレー・コルベット C8.R《photo by Chevrolet》 シボレー・コルベット C8.R《photo by Chevrolet》 シボレー・コルベット C8.R《photo by Chevrolet》 シボレー・コルベット C8.R《photo by Chevrolet》 シボレー・コルベット C8.R《photo by Chevrolet》 シボレー・コルベット C8.R《photo by Chevrolet》 シボレー・コルベット C8.R《photo by Chevrolet》