マツダとトヨタが米国に建設中のハンツビル新工場の完成イメージ《photo by Mazda》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

新車販売の伸び悩みは少子高齢化による人口減が進む日本市場ばかりではないようだ。世界最大の自動車市場に成長した中国の2019年上半期(1〜6月)の新車販売台数は、前年同期比12.4%減の1232万台にとどまったという。中国の新車販売は2018年に28年ぶりに前年割れとなったが、下げ幅が一段と拡大したとみられる。

きょうの各紙にも「中国新車販売12%減、19年上期、通年もマイナス予想」(読売)などと、取り上げている。その背景には「米中貿易摩擦の激化の影響で中国経済は減速しており、同協会は通年でも前年実績を下回るとの見通しを示した」とも伝えている。

また、6月単月では前年同月比9.6%減の206万台で、米中貿易摩擦が激化した昨年7月から12か月連続の前年割れとなったという。

一方、日経は中国ばかりではなく「世界の自動車市場が急減速している」と悲観的なニュースを1面準トップで報じている。それによると、国別では中国のほかに、世界4位のインドの4~6月の新車販売台数が前年同期比2桁減、さらに、米欧市場も低調だとも取り上げている。

その結果、景気減速の影響が長引き、2019年の自動車の世界販売台数は、リーマン・ショック直後の08〜09年以来の、2年連続前年割れが濃厚になったとも見通している。

こうした中、自動車メーカーは生き残るための「選択と集中」などを一段と加速させて効率経営に取り組む必要もある。例えば、トヨタ自動車では、米アラバマ州に建設中のマツダとの合弁工場で2021年に現地生産を開始する予定だが、その新工場でトヨタ向けに生産する予定の車種を当初計画の『カローラ』から「新型SUV」へ変更すると発表。今回の変更は、「北米市場におけるSUV需要の高まりに応えるため」という。

迷わずに売れ筋の車種に変更するのは賢い選択のようだが、景気減速の影響などを考慮しながら、2年も先の需要予測を読み間違えないで対応するのもなかなか難しい決断でもある。

2019年7月11日付

●人口減最大43万人、1億2477万人(読売・1面)

●中国新車販売12%減、19年上期、通年もマイナス予想(読売・9面)

●ガソリン価格、8週ぶり上昇(読売・9面)

●東京モーターショー薄れる国際色、アウディ・BMW・VWも不参加(朝日・6面)

●ゴーン事件、カリスマ逮捕、想像超える「日産劇場」(朝日・13面)

●車載半導体会社デンソーと出資、トヨタ事業再編発表(毎日・6面)

●HIS、ユニゾにTOBへ、ホテル拡大、敵対の可能性(産経・10面)

●新幹線、バッテリー走行試験公開(産経・24面)

●スズキ、燃料漏れ恐れ2万台リコール(産経・24面)

●新車市場が急減速、4〜6月、中国2ケタ減、米欧も低調(日経・1面)

●賞与減6割の業種で、本社最終集計(日経・15面)

ハンツビル新工場建設で、最初の鉄骨の据付式(4月23日)《photo by Toyota》 ハンツビル新工場建設で、最初の鉄骨の据付式(4月23日)《photo by Toyota》