ルノー・クリオ(日本向けルーテシアに相当)新型のレーシングカー《photo by Renault》

ルノーは6月22日、新型『クリオ』(Renault Clio。日本名:『ルーテシア』)に相当)のレーシングカー、『クリオカップ』、『クリオラリー』、『クリオRX』を、フランスで発表した。

クリオは1990年の初代発売以来、全世界で累計約1500万台を販売しており、ルノーグループの最量販モデルだ。また2013年以来、欧州Bセグメントの販売トップに立っており、ルノーは新型でも欧州Bセグメントの首位を維持することを目指している。新型はおよそ6年半ぶりのモデルチェンジを受けて、5世代目モデルとしてデビューした。

◆R.S.(ルノースポール)ラインがベース

ルノーはこの新型クリオに、3種類のレーシングカーを設定した。ベース車両は新型クリオの「R.S.(ルノースポール)ライン」。F1のイメージを反映させたスポーティ仕様だ。エクステリアは、F1タイプのブレードをはじめ、専用のハニカムグリル、専用アルミホイールを装備している。

インテリアも、ルノースポールならではの演出を施した。ホールド性を追求したスポーツシート、カーボンスタイルトリム、レザーステアリングホイール、アルミペダルセット、赤いステッチなどが採用されている。

◆日産GT-Rのミラーボアコーティング技術採用

エンジンは、ルノー日産三菱アライアンスとダイムラーと共同開発した直噴1.3リットル直列4気筒ガソリンターボ「1.3 TCe」を搭載する。このエンジンの特徴が、日産『GT-R』の「ミラーボアコーティング」技術の採用だ。ミラーボアコーティングは、エンジン内部の抵抗を減らすことによって、エンジンの効率を上げるテクノロジーとなる。ミラーボアコーティングは、溶かした鉄をシリンダーボア内部に吹き付ける技術。シリンダーボア内部の壁に鉄の膜を作り、この膜を鏡面仕上げにすることで、ピストンが動く時の抵抗を大幅に低減させる。

この直噴1.3リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンは、新型クリオの市販車の場合、最大出力が130hp/5000rpm、最大トルクが24.8kgm/1600rpmだ。新型クリオのレーシングカーでは、ギャレット製ターボチャージャーなどにより、最大出力をレギュレーションに応じて、170〜180hpに引き上げる。最高許容回転数は、6500rpm。最大トルクはレギュレーションに応じて、28.5〜32.6kgmとなる。

◆1台で異なるカテゴリーのレース参戦を可能にするコンバージョンキット

トランスミッションはSadey製の5速シーケンシャルだ。クラッチはザックス製を組み合わせる。ZF製のLEDも採用した。ホイールはグラベル仕様が15インチ、ターマック仕様が16インチ、クリオカップは17インチを装着する。タイヤはミシュランの1ブランドのみとなる。室内には、ロールケージが組み込まれた。

ボディサイズは、全長4050mm、全幅1988mm、全高1400mm、ホイールベース2579mm。市販車(全長4050mm、全幅1798mm、全高1440mm)と比較すると、190mmワイドで、40mm背が低い。トレッドはフロント1500mm、リア1490mmとした。

クリオカップ、クリオラリー、クリオRXでは、ランニングコストの低減を重視した。そのひとつの例が、専用のコンバージョンキットの設定だ。ルノーによると、このキットを使用すれば、顧客は1台の車両で、異なるカテゴリーのモータースポーツに参戦することができるという。

クリオカップ、クリオラリー、クリオRXは、2019年10月に欧州市場で発売される予定だ。2020年からの実戦投入を計画している。

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