ブリヂストン(ホンダN-VAN)《撮影 高木啓》

パテント・リザルトは、独自に分類したゴム製品業界の企業を対象に、2018年の特許審査過程で他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ゴム製品業界他社牽制力ランキング2018」をまとめた。

この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。集計の結果、2018年に最も引用された企業は前年同様ブリヂストンで1013件、2位の住友ゴム工業は541件で前年の3位から1ランクアップ。3位は横浜ゴムの519件だった。

1位ブリヂストンの最も引用された特許は、「熱線遮蔽フィルム、これを用いた熱線遮蔽ウィンドウ」に関する特許で、すべてが富士フイルムの特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されている。次いで、「空気入りラジアルタイヤ」に関する特許が、横浜ゴムの特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されている。2018年に、ブリヂストンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(127件)、次いで横浜ゴム(80件)、TOYO TIRE(54件)と続いている。

2位 住友ゴム工業の最も引用された特許は、「タイヤの摩耗評価方法」に関する特許で、横浜ゴムの特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されている。次いで「タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ」に関する特許や「空気入りタイヤとリムとの組立体」に関する特許が、それぞれ後発の特許4件の審査過程で拒絶理由として引用されている。2018年に、住友ゴム工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は横浜ゴム(79件)、次いでブリヂストン(77件)、TOYO TIRE(30件)となっている。

3位 横浜ゴムの最も引用された特許は、「タイヤ用ゴム組成物」に関する特許や、「加熱硬化性光半導体封止用樹脂組成物」に関する特許で、それぞれ後発の特許4件の審査過程で拒絶理由として引用されている。このほかには「低転がり抵抗性に優れるタイヤ用ゴム組成物」に関する特許や「カチオン重合開始剤および熱硬化性エポキシ樹脂組成物」に関する特許などが引用された件数の多い特許として挙げられる。2018年に、横浜ゴムの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(86件)、次いで、ブリヂストン(70件)、TOYO TIRE(32件)となっている。

住友ゴム/ダンロップ(レクサスES)《撮影 高木啓》 横浜ゴム(ホンダ・インサイト)《撮影 雪岡直樹》 ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2018 上位10社《出典 パテント・リザルト》