ボッシュの燃料電池テクノロジー

ボッシュ(Bosch)は5月8日、乗用車やトラック向け燃料電池の大規模生産を目指して、スタックの生産を手がけるPowercell社と提携することで合意した、と発表した。

Powercell社は、スウェーデンのイェーテボリに本社を置く。2008年にボルボグループから分社した。すでにPowercell社は、トラックや自動車のプロトタイプとして使用するための燃料電池を供給している。

この提携により両社は、生産可能な固体高分子形燃料電池を共同で開発する。ボッシュは、共同開発された燃料電池をライセンスのもと、世界の自動車市場へ向けて生産する。スタックが加わることで、ボッシュの燃料電池のポートフォリオがそろうことになり、遅くとも2022年には燃料電池を市場投入することを目指す。

ボッシュは、燃料電池技術をより広範に使用するには、商用車市場に最もチャンスがあると考えている。EUの規制では、2030年までにトラックに平均で15%のCO2排出量削減を求めている。これを達成するには、さらに多くのパワートレインの電動化が必要、とボッシュは見込む。

燃料電池がトラック向けに商用化されれば、乗用車向けに商用化できる可能性も大いに高まる。しかし、そのためには、燃料電池システムにかかるコストを徐々に低くしていく必要がある。システムで最も高額なのがスタック。スタックは、システム全体のコストのほぼ3分の2を占める。

またボッシュは、水素のコスト引き下げも目指す。現在、水素は主に産業用途向けに製造されており、1kgあたりの価格は5ユーロを超えることもある。生産が増えるにつれて、水素の価格も下がると想定している。

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