UDトラックス・クオン(参考画像)

UDトラックスは4月18日、大型トラック『クオン』などの燃料リターンパイプおよびオルタネータ電源配線に不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。対象となるのは、2017年4月28日〜2018年12月24日に製造された9714台。

燃料リターンパイプについては、原動機型式GH11の燃料装置において、同パイプの材質選定および締付けトルク設定が不適切なため、エンジン振動の応力によって、パイプのアダプター締結部に亀裂が発生するものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、シリンダーヘッド内に燃料が漏れエンジンオイルを希釈させ、油圧警告灯の点灯および警報ブザーが鳴り、最悪の場合、希釈したオイルが燃焼室内へ吸い上げられ、運転手の意図しないエンジン回転上昇に至るおそれがある。不具合は34件発生している。

改善措置として、全車両、該当する故障コードの確認及び燃料リターンパイプの亀裂を点検し、当該パイプを対策品に交換する。また、該当する故障コード及び亀裂が確認された場合は、エンジン内部を洗浄する。なお、車両走行データを確認し、燃料希釈によるエンジン回転上昇が確認された車両はエンジンを良品に交換する。

オルタネータ電源配線については、150アンペア仕様のオルタネータ裏側の配索および固定方法が不適切なため、振動により配線が固定ブラケットのエッジ部と干渉して被覆を損傷させることがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、当該配線が短絡し発熱・発煙するおそれがある。不具合は5件発生している。

改善措置として、全車両、電源配線に保護材を取付けて、固定ブラケットおよびクランプを対策品に交換する。なお、電源配線に損傷がある場合は補修または新品に交換する。

いずれも事故は起きていない。ともに市場からの情報によりリコールを届け出た。

改善箇所(燃料リターンパイプ) 改善箇所(オルタネータ電源配線)