フォルクスワーゲンは4月14日、中国で開催した上海モーターショー2019のプレビューイベントにおいて、コンセプトカーの『ID. ROOMZZ』(Volkswagen ID. ROOMZZ)を初公開した。
ID. ROOMZZは、フォルクスワーゲンの次世代電動モデル、「ID.」ファミリーの最新コンセプトカーだ。ID.ファミリーからは、最初の市販モデルとして、『ゴルフ』セグメントに属するコンパクトEVのID.を2020年に発売する予定。これに続いて、SUVセグメントには『ID. CROZZ』を投入する計画で、さらにMPVの『ID. BUZZ』を順次、市場に導入していく。
◆全長はおよそ5000mm。3列シートのフルサイズ電動SUVを提案
ID. ROOMZZは2021年に市販される予定のゼロエミッションのフルサイズ電動SUVを示唆した1台になる。全長はおよそ5000mmと大型で、広い空間を備えるインテリアには、3列シートを装備する。ID. CROZZの兄貴分にあたるSUVとなる。
他のID.ファミリー同様、ID. ROOMZZの車台には、「MEB」(モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス)を使う。モーターがギアボックスとともにリアアクスルに組み込まれ、バッテリーが他のコンポーネントと共に車両のフロア下に効率よく搭載される。モーターからリアアクスルへのパワーの伝達は、1速ギアボックスを介して行われる。
◆レベル4の自動運転システム搭載。完全自動運転モードではステアリングホイールはない
ID. ROOMZZには、フォルクスワーゲンの最新の自動運転テクノロジー、「IQ.DRIVE」システムを搭載する。フォルクスワーゲンによると、ドライバーが運転操作を車両に任せるレベル4の自動運転を追求しているという。
そのため、ID. ROOMZZには、通常のダッシュボードを装備していない。マニュアル運転モードの「IDドライブ」モードでは、ステアリングホイールと一緒にデジタルコックピットがドライバーの正面に出現する。このデジタルコックピットは、フルガラスフロントパネルで構成されている。デジタル化されたステアリングホイールは、このフルガラスフロントパネルと一体デザインとした。
完全自動運転モードの「ID.パイロットリラックス」モードに切り替えると、各シートは25度内側に回転し、乗員がよりコミュニケーションを取れるラウンジのようなインテリアに変わる。また、ID.パイロットリラックスモードでは、各乗員がそれぞれのニーズに合わせて、シートを個別に調整できる。このモードでは、シートを直立位置からリクライニング位置に移動できる。
インテリアには、新素材を導入する。例えば、シートカバーには、「AppleSkin」と呼ばれる再生可能な素材を使う。ドアパネルには、特別に処理されたベニヤを使用した。アクティブフィルターシステムを採用したクリーンエアシステムは、車内の空気を清潔に保つ。
◆2モーターで306ps。0〜100km/h加速6.6秒の性能を備える
ID. ROOMZZのEVパワートレインには、モーターを前後アクスルに搭載し、4輪を駆動する「電動4MOTION」を採用する。システム全体で、最大出力306 psを引き出す。強力なモーターは、0〜100km/h加速6.6秒、最高速180km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。
バッテリーは蓄電容量が82kWhと大容量。この効果で、1回の充電での航続は、WLTP計測モードで最大450kmの性能を備える。出力150kWの急速チャージャーを利用すれば、バッテリーの容量の8割を、およそ30分で充電できる。
VWの電動SUVは航続450km、2021年市販予定…上海モーターショー2019
2019年04月16日(火) 12時45分