SHOEIの「GT-AirII」《撮影 山田清志》

SHOEIは「東京モーターサイクルショー2019」に今夏発売予定の2種類のヘルメット、「GT-AirII」と「J-CruiseII」をブースの前面に並べ、その良さを積極的にアピールしていた。

フルフェイス型のGT-AirIIは従来モデルの象徴的なデザインである側頭部の形状は受け継ぎつつ、よりエッジを効かせ、ベンチレーションパーツと一体となり前方から後頭部へ流れるようなシェルデザインにした。インナーサンバイザーも改良し、従来モデルより長さを5mm伸ばし、サンバイザー下端とアイポートの隙間からの日射しの侵入を軽減。また、サンバイザー延長による鼻への干渉を避けるため、鼻部分の形状を従来モデルより5mm深くカットしている。

「このヘルメットで大きく変わったところは、SENA製のインカムを取り付ける機構を装備していることです。専用設計になっているので簡単にインカムを装着でき、また装着時の見た目もスマートです」と同社関係者は説明する。

一方、ジェット型のJ-CruiseIIは、従来モデルの端正でシンプルなデザインから、よりモダンで洗練されたイメージにシェルデザインを変更。後頭部も空力性能を追求した独特の形状にし、シェル形状がスポイラーとして機能するようになっている。また、シールドはGT-AirIIと同様に曇りを防ぐピンロックエボレンズを標準で装備し、湿気の多いときや寒いときのライディングもクリアな視界を確保できるそうだ。

価格はGT-AirIIが5万1000円と5万9000円で、J-CruiseIIが4万9000円と5万6000円となっており、同社関係者は先日の「大阪モーターサイクルショー2019」でも評判がよかったことから、この2つのヘルメットに期待を寄せていた。

そのほか、ブースの奥には参考出品のヘルメット「IT-HL」を展示し、実際にかぶって体験できるようになっていた。ヘッドアップディスプレイを内蔵したヘルメットでナビゲーション情報がシールド内に表示されるというものだ。

ヘルメットのあごの部分から映像を投影し、透明なプラスチックのレンズのようなもので屈折させ、シールド内に表示させる仕組みのようだ。ただ、電力が必要なため、携帯用のバッテリーと接続して使用しなければならない。

「ツーリング向けの一つのアイテムとして、お客の反応を見ながら来年には国内で販売できればと考えている」と同社関係者。価格は12〜15万円になるようだ。

SHOEIの「J-CruiseII」《撮影 山田清志》 SHOEIが参考出品した「IT-HL」《撮影 山田清志》