ヤマハ発動機は8月31日、バイオメディカル研究分野の知見獲得・製品開発力強化を目的に、バイオベンチャー企業「イーベック社」へ出資すると発表した。この出資によりイーベック社はヤマハ発動機の持分法適用関連会社となる。
ヤマハ発動機は、産業用ロボット技術の新たな活用としてメディカル分野に参入。2017年には、新薬や抗がん剤の薬効を評価する試験工程の一部を担う細胞(塊)のピッキング&イメージングシステム「セルハンドラー」を開発、1号機を福島県立医科大学へ納入している。
イーベック社は、ヒト末梢血由来の完全ヒト抗体を製造・販売する事業を行うバイオベンチャー企業。抗体は、人体に病原体などの異物が入った際にその異物に結合して生体内から除去する働きをする生体物質で、治療用途のほか、検査・診断、学術研究用にも用いられている。同社は疾患克服に働いた実績を持つ最良の抗体を取得できる「シングルB細胞法」を通じた抗体製造技術に強みを持ち、国内外の大手製薬メーカーとのライセンス契約実績がある。
今回の取り組みは、2016年からの3か年における新中期経営計画の成長戦略の一つ「ソリューションビジネスへの挑戦」の一環。ヤマハ発動機は、今回の出資と細胞ハンドリング装置「セルハンドラー」の活用を通じて、シングル細胞を含む細胞ピッキング技術力の強化、良質抗体取得率の向上、細胞取扱い工程のスループット向上を図り、新薬開発や医療研究分野への貢献を進めて行く。
ヤマハ発動機、バイオベンチャーのイーベック社へ出資 医療用ロボット事業強化へ
2018年08月31日(金) 13時45分
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