1位でゴールした#8 トヨタ。《写真提供 TOYOTA》

世界耐久選手権(WEC)の2018/2019シーズン第3戦が英国シルバーストンで開催され、現地19日に行なわれた決勝6時間レースではLMP1クラスのトヨタが1-2でゴールしたが、再車検後に両車失格の判定が下された。陣営は「この判定に対する対応を検討する」としている。

6月のルマン24時間レース以来となる、2018/2019シーズン第3戦、シルバーストン6時間レースはチェッカーフラッグの後に大波乱が待っていた。最上位クラス「LMP1」に今季唯一のハイブリッドマシン(LMP1-H)として参戦しているトヨタ「TS050 HYBRID」は、今回も1-2でレースを終えたのだが、1位の#8 中嶋一貴組、2位の#7 小林可夢偉組、ともに再車検で失格と判定された。

理由は、マシン底部のスキッドブロック、これは空力性能抑制を狙った底上げ段差をつくるような板状のパーツで、多くの上位カテゴリーが規則に採用しているのだが、WEC公式サイトによるとその「ゆがみ、たわみ」(deflection)に関する規定不一致が再車検で見られたという。

1-2失格という事態に対し、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)は以下のような声明を日本時間の20日午前に発行している。

「両車ともに、今回のサーキット改修で新たに設けられた縁石を乗り越えた時に発生したと考えられる衝撃により、車体前方下部にダメージを負っていました。結果、レース後の車検の車体剛性検査で不適合と判定され、2台ともに失格となりました。 当該の車両部品は2017年初めより使用を開始し、直近では今季の開幕戦で同様の検査に合格しています。我々は今後、この判定に対する対応を検討してまいります」

レベリオン・レーシングが繰り上がりで1-2となり、#3 G. メネゼス組が1位、#1 A. ロッテラー組が2位に。ただし、WEC公式サイトは日本時間20日朝の段階で「トヨタがアピール(抗議)する可能性もあるため、結果は現時点では暫定ということになる」としている。

LMP2クラスはジャッキー・チェンが率いる同クラスの強豪チーム「ジャッキー・チェンDCレーシング」が1-2。メーカーバトルのLMGTE-Proクラスは、#51 フェラーリ(AFコルセ)のJ. カラド組がトップでゴールした。LMGTE-Amクラスではデンプシー・プロトン・レーシングの#77 ポルシェが首位。

なお、今回のレースウイーク中に“来季”、2019/2020シーズンの暫定カレンダーが発表された。開幕は19年9月1日決勝のシルバーストン戦で、20年6月のルマン24時間を最終戦とする全8戦。富士スピードウェイ戦は第2戦として、19年10月13日決勝の日程で組まれている。来季はレース時間のバリエーションが増え、開幕戦は4時間、富士戦は6時間、バーレーン戦(19年12月)は8時間などと多彩化する予定だ。

今季、2018/2019シーズンの次戦は今年(18年)10月14日決勝の第4戦富士6時間となる。

写真先頭(中央)の#7が2位、その右の#8が1位でゴールしたトヨタ勢だが、まさかの失格に。《写真提供 TOYOTA》 失格とされたトヨタ勢。《写真提供 TOYOTA》 レース直後の表彰式はゴール到達順位に基づいて行なわれるので、1-2はトヨタ勢。《写真提供 TOYOTA》 #8 トヨタの(左から)アロンソ、ブエミ、中嶋。《写真提供 TOYOTA》 アロンソにとってはF1来季不参戦発表後の初レースだった。《写真提供 TOYOTA》