スバル 中村知美社長《撮影 池原照雄》

SUBARU(スバル)の中村知美社長は7月10日、都内で記者会見し2025年度までの新中期経営ビジョンを発表した。18年度から20年度までの合計連結営業利益を9500億円、25年度のグローバル販売を130万台(18年度計画比18%増)とする目標を掲げた。

新ビジョンは「STEP」というタイトルで、顧客に「安心と愉しさ」を提供するブランドという方針を継承しながら、一連の完成検査問題を受け、スピード感をもって「企業風土改革」を進めて信頼回復に取り組むとしている。

経営指標の目標では、従来は20年度に「120万台+α」としていたグローバル販売計画を、25年度で130万台とした。このうち北米は米国で85万台、カナダで7万台の計92万台(18年度計画比20%増)、日本は15万台(同横ばい)の計画としている。

また、18年度から20年度までの3か年合計で、連結売上高は従来の16〜18年度計画比より1兆円多い10兆円を目指す方針とした。一方で営業利益は同計画比で6000億円少ない9500億円、売上高営業利益率も0.7ポイント低い9.5%と、手堅い数値に見直した。また、この3か年の試験研究費は4000億円と、15〜17年度実績比で18%多い数値を掲げており、電動化やコネクティッド技術などの開発を強化していく。

中村社長は新ビジョンについて「企業風土改革を喫緊の課題として最優先に取り組む。また、個性を磨きあげ、お客様にとって、他社と違う『Differentな存在』を目指したい。私としてはあるべき姿を『モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ』と描いている」と述べた。一方、ブランド強化については「安心と愉しさを提供するという方向軸は動かさない」と強調した。

新型スバル・フォレスター《写真提供 SUBARU》 スバル 中村知美社長《撮影 池原照雄》 スバル 本社ビル(参考画像)