ZFのアクティブキャビンサスペンション「cCAB」のイメージ

ZFは6月27日、次世代モビリティをテーマにした「テクノロジーデイ2018」を開催し、完全自動運転の商用車で快適な乗り心地を追求する「アクティブキャビンサスペンション」を開発した、と発表した。

ZFはこのアクティブキャビンサスペンションを、「cCAB」と命名。トラックが完全自動運転モードで走行している間、ドライバーは他の作業を行うことができるようになる。いわば、車内の「モバイルワークステーション」化が可能になる。

従来のサスペンションは、受動的なシステムで、スプリングやダンパーによって動きを吸収・減衰し、地面の凹凸などの外的影響に対応する。一方、ZFの電子制御アクティブcCABシステムは、望まない動きを予測し、それが発生する前にキャビンを能動的に動かして対応。専用のコントロールユニットがセンサーからの信号を受信し、瞬時に最適な状態を計算する。

また、このユニットは4つのcCABモジュールを制御。これらのモジュールが、キャビンの一連の動きを最適化することを可能にするという。

ZFは、CDC(連続減衰力可変)ダンパーとCALM(レベリング機能内蔵キャビンダンパー)システムをベースに、電子制御油圧式アクチュエータを追加して、cCABを強化。cCABをキャビンの4つの支持点に設置すると、必要に応じて縦軸と横軸を中心にキャビンをアクティブに回転させ、垂直軸に沿って動かしながら振動を収束させる。その結果、ドライバーは完全自動運転モードで走行中、運転席で事務作業を行うことが可能になる、としている。