スバル本社に立入検査(16日・渋谷区)《撮影 中島みなみ》

国土交通省は16日午前、渋谷区恵比寿のSUBARU(スバル)本社に立入検査に入った。長年にわたって継続していた燃費・排出ガス抜き取り検査のデータ不正行為について、社長を含む品質管理担当役員らに聞き取りを行う予定。

国交省は本社検査に先立つ14日と15日に、群馬県の群馬製作所本工場と矢島工場に対して、事前通告をしない立入検査を実施している。

同社はデータ不正行為について約4か月かけて調査を行い、4月27日に自動車局に再発防止策などを含めて報告した。

データの書き換えは品質管理上必要はなかったが、データの「バラつきを抑える」「見栄えをよくする」ために行われた。書き換え前のデータがなぜ測定されたのか、上司から追及されることを避けるためというのが主な動機で、係長など現場管理職の明確な指示はなく現場判断で行われていたことが明かされた。

同社は再発防止策として、書き換えのできないシステムに変更し、不正防止の監視員を置くとした。また吉永泰之社長はCEO会長に昇格しコンプライアンス強化を強力に推し進める決意を決算会見などでも明らかにしている。

石井啓一国交相は報告書が提出された同日の会見で「対応が必要となる場合には、厳正に対処する」と話している。一連の立入検査は、昨年の無資格者による完成検査も含めた報告書の内容、打ち出された再発防止策に継続性があるかなどについて確認を行う。

「お客様をはじめステークスホルダーのみなさまに多大なご心配ご迷惑をおかけしたことをおわびいたします。再発防止策を徹底的に遂行すると共に、原因となった企業体質の改善に全社全力を尽くします」と、スバルはコメントした。