ロールス・ロイス ファントム《撮影 小松哲也》

ロールス・ロイス・モーター・カーズは1月22日、14年ぶりに全面改良した旗艦車種『ファントム』を都内で日本初公開した。先代より10%静粛性を高めたほか、ダッシュボード内に好みに応じでアート作品を組み込めるようにしたことなどが特徴。価格は5460万円から。

新型ファントムでは複数の新たな技術や装備が施されている。そのひとつがアーキテクチャー・オブ・ラグジュアリーと名付けたオールアルミ製のスペースフレームで、今後のロールス・ロイスのすべてのモデルに順次採用されるという。

ロールス・ロイスでアジア太平洋地区のプロダクト・マネージャーを務めるスヴェン・グルンワルド氏は「これはロールスロイスだけのものであり、将来のロールスロイスのベースとなる。4WDあるいは将来の代替的なドライブトレインにも適用できる拡張性がある構造となっている。このアーキテクチャーを使うことで先代モデルに比べて全体の剛性が約30%向上している。場所によっては100%剛性が増している部分もある」と述べた。

またグルンワルド氏は「ファントムは疑いなく世界で最も静かなクルマ」とした上で、「新型ファントムには130kg以上の遮音材が使われているがクルマの総重量は増えていない」と明かした。遮音材に加えて、ホワイトボディに鍛造アルミ製ジョイントや高性能吸音材を採用したほか、タイヤ内部に特殊な発泡体の層を形成することで空洞内で発生する騒音を抑えたタイヤを共同開発したことなどにより、100km/h時の騒音が先代に比べて10%低下したとしている。

グルンワルド氏によるとタイヤの開発にあたっては「実に180のプロトタイプを造ってもらい実現した」とのことだ。

エンジンは新開発の6.75リットルV12型ツインターボエンジンを搭載。「パワーはさらに増強されて最高出力563馬力、最大トルク900Nmを発揮する」とグルンワルド氏は解説した。

このほかの、ダッシュボードやインスメントパネルをすべて強化ガラスで覆った、ギャラリーと名付けた世界初のコンセプトも特徴となっている。ギャラリー内には計器類や時計などを納めるとともに、オーナーの好みに応じたアートなどを飾れるような構造になっている。

ロールスロイスでは複数のアーティストやデザイナーと協力して、ギャラリーの中に納める作品の参考になるようなサンプルを造っており、その中にはオーナーのDNAを3Dプリンターで印刷した金メッキプレートや、ロールスロイスのために開発された新種のバラをモチーフにした陶器製の絵などがあるという。

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