ホンダ・ステップワゴン・スパーダと本田技術研究所の斎藤葉治主任研究員《撮影 池原照雄》

ホンダは9月28日、ミニバンの『ステップワゴン』および『ステップワゴン スパーダ』をマイナーチェンジして29日に発売すると発表した。主力タイプとなっているスパーダはフロントなどの外観を刷新するとともに、ハイブリッド車(HV)を新設定した。

2015年4月に発売した現行の5代目ステップワゴンは、バックドアからも容易に乗降できるようにした「ワクワクゲート」や分割できる3列目シート、1.5リットルターボエンジンによる走行性能などが支持されている。今回の改良ではそうした機能を踏襲しながら、スパーダの前後の外観デザインを変更し、よりダイナミックさを追求したという。

スパーダにはHVも追加した。ホンダの上級モデルである『アコード』と『オデッセイ』に搭載している2リットルエンジンと2モーターを組み合わせた方式を採用、システムの最高出力は158kWとハイパワーが売り物だ。一方で燃費性能も25.0km/リットル(JC08モード)とクラストップレベルを確保した。また、HVは国の新しい燃費評価方式であるWLTCモードについても、ホンダ車として初めて認定を得た。その総合(コンバインド)燃費は20.0km/リットルとなった。

今回の改良を機に、安全運転支援技術の「ホンダセンシング」については全モデルへの標準搭載とするとともに、歩行者事故低減ステアリング機能を追加採用した。さらにHVについては渋滞追従機能もあるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)システムも搭載している。

価格(消費税込み)はステップワゴンが245万円台から307万円台、スパーダが285万円台から355万円台。従来モデルでは、スパーダの販売比率が全体の約75%を占めたが、改良後はスパーダのHVが30%、同ガソリン車が55%、ステップワゴンは15%といった比率を想定している。

開発責任者である本田技術研究所の斎藤葉治主任研究員は新設定のHVについて「すでにアコードなどで高い評価をいただいているシステムを搭載した。このクラスでは1.5ランク上のパワートレーンであり、俊敏な加速を体感いただける」とアピールしている。また、このシステムのパワーを生かすため「燃費にはあまりこだわらずにチューニングした」と、走りに力点を置いたとも指摘した。

ステップワゴン・スパーダのHVシステム《撮影 池原照雄》 本田技術研究所の斎藤葉治主任研究員《撮影 池原照雄》