トレリス構造のメインフレームに、最大トルクを5.7%アップした水冷シングルエンジンを搭載。
スリムで見るからにスポーティな車体はお馴染みだが、11リットルだった燃料タンクの容量を13.4リットルに拡大するなどボディワークを刷新したほか、ヘッドライトを4灯LED式としフロントマスクをより個性的にしているのが目を惹く。
新作シートは高さを830mmとし、従来より30mmほど上がったが、ニーグリップしたときの車体のくびれがスリムになっていて、足着き性が悪くなったという印象はない。シート前面がシェイプされ、地面に対して足が真っ直ぐに出せるからだ。
若干の前傾姿勢となるライディングポジションは跨った途端にアグレシッブなものを感じ、新設計のハンドルが身体に近い位置にセットされ、操作性を向上している。
ハンドリングは相変わらず軽快で、コーナリングがますます楽しい。WP製の前後サスペンションは路面からのフィードバックが得やすくなっていて、インナーチューブ径43mmの倒立式フロントフォークはトラベル量を150mmから142mmに減らしスポーティな味付けをより濃くした。
ライドバイワイヤ(電子制御スロットル)やスリッパークラッチを新採用し、よりハードなスポーツライディングが楽しめるのは先に試乗記を紹介した『250デューク』同様で、共通装備のBYBRE製4ピストン・ラジアルマウントキャリパーもタッチに節度があってコントロール性に優れる。
そしてKTMの新型モデルすべてに言えることだが、メーターに先進性を感じる。フルカラーの5.2インチTFTディスプレイは環境照度に応じて輝度が自動調節され、どんな状況下でも見やすい。
ヤンチャなライトウェイト・シングルスポーツだが、車体各部に新しい技術が詰め込まれ、走りも楽しいし、見てもウットリだ!
■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
コンフォート:★★★
足着き:★★★★
オススメ度:★★★★★
青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のバイクカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説。現在、多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。
【KTM 390デューク 試乗】見てウットリ、走りのアツさと先進技術も魅力…青木タカオ
2017年06月20日(火) 22時30分
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