レクサス LC500 のドアインナー、ラゲッジインナー

三菱ケミカルは、同社の炭素繊維複合材料「SMC(Sheet Molding Compound)」がレクサスの新型ラグジュアリークーペ『LC』のドアインナーおよびラゲッジインナーに採用されたと発表した。

自動車市場では燃費規制やCO2排出規制の強化を背景とした車体軽量化への関心が高まっており、軽さと高い強度を併せ持つ炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の自動車部材への適用が期待されている。

三菱ケミカルが開発したSMCは、CFRPの中間基材の一種で、長さ数cmにカットされた炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料。プレス成形により2〜5分程度の短時間で部材に加工可能で、連続した炭素繊維に樹脂を含浸させた中間基材であるプリプレグと比べて、複雑な形状の部材を成形することができるという特長を持つ。また、機械特性が均質に近いため、従来の部材設計ノウハウを活かしながら比較的容易に炭素繊維を利用して、軽量化と高強度化を実現できる。

今回のレクサスでの採用は、SMC採用により大幅な軽量化と高い部材性能を実現できた点、SMCが複雑形状の部材を生産可能とする成形性に優れる点が高く評価された。トヨタ自動車に同社のSMCが採用されたのは、トヨタ『プリウスPHV』新型のバックドアの骨格へ採用された案件に続き2件目となる。

レクサスLC500h《撮影 伊藤和幸》 レクサスLC500h《撮影 伊藤和幸》 レクサスLC500h《撮影 伊藤和幸》