
ロシアの自動車大手のソラーズグループは、新型ピックアップトラック『ST6』と『ST8』生産を、UAZ(ウリヤノフスク自動車工場)で開始した。
新ラインの稼働式には、ウリヤノフスク州知事のアレクセイ・ルスキフ氏やソラーズ取締役会長のアディル・シリノフ氏、同社CEOのニコライ・ソボレフ氏らが出席した。
生産ラインには最新の130mの溶接ラインやシャシー組立ラインが導入され、塗装・組立工程も大幅に近代化された。車体組立はUAZ(ウリヤノフスク自動車工場)の既存ラインと共用し、最終組立は新設されたST6/ST8専用ラインで行われる。
生産管理にはIT技術を活用し、物流管理(WMS)、生産管理(MES)、品質管理(QLS)システムが統合されている。
ソボレフCEOは、「UAZの生産拠点は歴史的にフレーム車両生産の強みがあり、新型ピックアップの一貫生産は、インフラ整備やブランド間のシナジー効果を生み出すドライバーになる」と述べた。
エンジンには国産の2リットルディーゼル(136hp)や2リットルガソリンターボ(176hp)、2.4リットルガソリン(204hp)が搭載される。トランスミッションも国内生産の6速MTが採用されている。
ST8は最新の安全装備や電子制御システムを搭載し、最低地上高210mm、積載量900kgを実現している。
すでに販売中のST6は2024年に3500台以上を販売。新型のST6/ST8は今春から販売を開始する予定だ。
ルスキフ知事は「新工場の稼働は、地域の良好なビジネス環境を示すもの。ソラーズは過去2年間で複数の大型投資プロジェクトを立ち上げた。これは雇用創出や生産ラインの近代化につながっている」と述べ、州政府として引き続き支援を行う姿勢を示した。
ロシア政府は輸入代替を進める中で、自動車産業の国産化を重視している。ソラーズの新型ピックアップトラック生産は、その具体的な成果の一つといえる。

