アウディ R8《photo by Audi》

アウディは、ブランド初のスーパースポーツカーの『R8』の最後の1台がラインオフし、その17年の歴史に幕を下ろしたと発表した。2007年からの生産期間中、合計4万5949台がネッカーズルムとボリンガーホーフェの工場から出荷された。最終モデルは後輪駆動の「R8 V10 GT RWD」だった。

R8は2006年に発表され、その革新的なデザインとエンジン音、そして他に類を見ない走行性能で注目を集めた。アウディが初めて開発したミッドエンジンのスーパースポーツカーであり、フェラーリやポルシェ、ランボルギーニといったブランドが支配する市場に新たな風を吹き込んだ。

R8の開発と製造は、当時のクワトロGmbH(現在のアウディスポーツGmbH)が担当し、アウディの製品ポートフォリオにおけるスポーティな象徴となった。R8の名前は、ル・マン24時間レースで数々の勝利を収めたアウディのレーシングカーに由来する。

初代R8は2006年のパリモーターショーで世界初公開され、同じフォルクスワーゲングループ傘下のランボルギーニ『ガヤルド』を技術基盤とした。R8はその後、特別モデルやコンセプトカーを通じてファンを魅了し続けた。特に、映画『アイアンマン』シリーズで主人公トニー・スタークの愛車として登場し、その存在感をさらに高めた。

2015年にはジュネーブ国際モーターショーで第2世代R8が発表され、ランボルギーニ『ウラカン』をベースにした新たなデザインが披露された。R8はその歴史を通じて、アウディのブランドイメージを高める重要な役割を果たした。

アウディ R8のV10エンジン《photo by Audi》 アウディR8 クーペ V10 パフォーマンス クワトロ《photo by Audi》 アウディ R8 スパイダー V10 パフォーマンス クワトロ《photo by Audi》 初代アウディ R8 GT クーペ(右)とR8 クーペ V10 GT RWD(右)《photo by Audi》 アウディ R8《photo by Audi》 アウディ R8 クーペ V10 パフォーマンス クワトロ《photo by Audi》