世界における公共用充電器の普及予測《グラフ提供:矢野経済研究所》

矢野経済研究所は3月27日、xEV用インフラ世界市場の調査結果を公表した。

カーボンニュートラルの流れを受け、自動車産業では環境負荷の低いxEVの導入が進んでいる。特にBEVやPHEV、FCEVなどのZEVは、電気や水素を供給する充電器や水素ステーションの整備が必要とされている。

調査結果によると、2023年、世界の公共用充電器の整備台数は前年比47.1%増の394万1000台に達する見込み。2024年以降も、各国の補助金政策により整備台数は増加傾向にある。しかし、日本を含む一部の国々では、既存充電器の更新が課題となっている。

矢野経済研究所では、これらの状況を踏まえ、2つのシナリオで公共用充電器の世界整備台数(推計値)を算出した。1つ目はAggressive予測で、インセンティブ(各国の政策)の継続的な実施、BEV/PHEVの保有台数増加に伴う、充電器インフラの新規整備や(耐用年数を迎えた)充電器の更新が順調に行われ、各国政府が掲げる充電器整備目標をおおむね達成するシナリオを想定。2030年における公共用充電器世界整備台数は1270万1000台まで拡大すると予測する。

2つ目のConservative予測では、BEV/PHEV販売台数の鈍化、充電器設置に対するインセンティブ金額の縮小、欧州、米国、中国を中心に2020年頃から設置した充電器が更新されず、充電器インフラの整備が一時停滞するシナリオを想定。2030年における公共用充電器世界整備台数は1056万5000台に拡大すると予測する。

日本のxEV用インフラは、公共用充電器が3万0795台、バッテリー交換ステーションが35ヶ所、水素ステーションが167か所整備されている。政府は2030年までに30万台の充電器整備を目指しており、補助金政策による新規整備が期待される。また、BSSやHRSの整備も進んでおり、再生可能エネルギー発電余剰分の活用が期待されている。