マレリのブースイメージ《写真提供 Marelli Holdings》

自動車関連サプライヤーのマレリは、2024年1月9日から11日まで米国ラスベガスで開催される世界最大級のデジタルテクノロジー展示会「CES 2024」のウィンホテルの招待制ブースにて、新たなプラットフォーム「Lean」および「Advantage」を発表する。

Leanプラットフォームはハードウェアとソフトウェアの両設計へのシンプルなアプローチにより、性能を損なうことなく、標準よりも少ない部品点数、軽量化、低コスト化を実現する。このモジュールベースのプラットフォームアプローチはエントリーレベルの車両やブランド、トリムレベルを対象とし、予算重視の消費者やフリート購入者を想定して開発。Leanプラットフォーム上で開発されるシステムは、自動車メーカーが後に特定の機能をカスタマイズすることも可能だ。マレリはLeanプラットフォーム上で開発した2つのコンセプト「LeanLight」と「LeanDisplay」をDesign for Affordabilityエリアに展示する。

LeanLightヘッドランプとリアランプのコンセプトは、従来のランプに比べて最大20%少ない部品点数、20%の軽量化、CO2排出量を6kg削減する。新しい射出成形プロセスの導入は軽量化とエネルギー消費の削減に貢献。また、新開発の表面処理ソリューションは化学的コーティングの必要性がないため、持続可能性にも貢献する。

LeanDisplayはLEDと独自のレンズを組み合わせたバックライト技術の最適化、サプライチェーンの現地化などをはじめとする、60%の部品を削減する製造設計アプローチを採用することで、標準的なディスプレイより低価格帯で高精度なローカルディミング性能を提供。性能を向上させながらも、40%の軽量化、省エネルギー、CO2削減という持続可能性の向上も併せて実現している。

Advantageプラットフォームについては、開発品の一例として、仮想化された車両コックピットを紹介する。Amazon Web Service(AWS)を利用するDigital Twinデモ機では、クラウド上で完全な車両コックピットを再現。設計、テスト、シミュレーション、機能の展開を迅速化する。コックピットはコンテナ化されたマイクロ サービス アーキテクチャ上に構築。既存の機能に影響を与えることなく、機能を個別に迅速かつ容易にアップグレードできる。このソリューションはソフトウェア定義型自動車(SDV)の主要な機能となる、ハードウェアポータブルアプリケーションにも対応している。

マレリは引き続きプラットフォーム戦略を強化し、自動車メーカーがカスタマイズの余地を残しつつ、主要な技術が事前開発されたソリューションを選択できるようにする方針。Advantageプラットフォーム上では、他のコネクテッドシステムや、設計者向けのスタンドアローン ソフトウェアツールも開発されている。