ワンオフした「サブウーファーボックス」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:アミューズ<広島県>)。Photo by 太田祥三

カーオーディオ機材の取り付けを自分でやってみたいと考えるドライバーが増えつつある。当コーナーは、そのコツをさまざま紹介している。今回からは「サブウーファーボックス」の製作におけるポイントを説明していく。

さてカーオーディオでは、超低音を鳴らすための「サブウーファー」が使われることが多い。なぜならば、ドアに取り付けられるスピーカーでは、口径的に超低音再生をスムーズに行い難いからだ。超低音の再生は、もっと大きなスピーカーの方が向いている。

で、「サブウーファー」を導入しようと思ったときには「パワードサブウーファー」が役に立つ。これは「サブウーファーユニット」と「ボックス」と「パワーアンプ」とが一体化した製品だ。なのでこれを用意し、配線作業と設置作業とを行えば音を出せる。つまり、導入のハードルが低いのだ。

しかし、低音の質にこだわるならば、「サブウーファーユニット」が単体で売られている「ユニットサブウーファー」がアドバンテージを発揮する。

ただし、これを使おうと思ったときには「ボックス」を自前で用意しなくてはならない。

なお出来合いの「ボックス」も売られてはいるが、自分で作った方が楽しめる。さらに言えば、自作した方が好みのサウンドを鳴らせる箱を手にしやすくなる。また、形的にも好み(積載上の都合)に合ったものを用意しやすい。自作をすることには、利点が多々あるのだ。

ところで、「サブウーファーボックス」にはタイプ違いがいくつかあるが、自作に向いているのはズバリ、「シールドボックス」だ。「シールドボックス」とは「密閉箱」という意味で、構造的にもっともシンプルだ。つまり「設計」的な難易度が比較的に低めだ。

では、「シールドボックス」の「設計」の仕方を説明していこう。「設計」においてはまず、箱の大きさを決める必要がある。なおどのくらいの大きさで作れば良いかは、「ユニットサブウーファー」のカタログを見れば分かる。カタログには普通、「推奨容量」が記載されている。「サブウーファーボックス」は、その数値の範囲内の大きさで仕上げればOKだ。

ちなみに言うと、「サブウーファーボックス」は大きめに作るほどゆったりとした低音を鳴らしやすくなり、小さめに作るとタイトな低音を鳴らしやすくなる。とはいえ小さすぎると「ユニットサブウーファー」に負担がかかりすぎるので上手くない。というわけなので「設計」するにあたっては、「推奨容量」の範囲の中で少し大きめに作るくらいがコツとなる。

今回はここまでとさせていただく。次回は「設計」におけるその他のポイントについて説明していく。お楽しみに。

ワンオフした「サブウーファーボックス」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:アミューズ<広島県>)。Photo by 太田祥三 ワンオフした「サブウーファーボックス」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:アミューズ<広島県>)。Photo by 太田祥三