ケータハム EV セブン

英国のケータハムは5月24日、2シーターのオープンスポーツカー『セブン』(Caterham Seven)をEV化した技術開発コンセプトカー「EVセブン」を発表した。

◆液浸冷却式バッテリーパックを搭載
EVセブンは、軽量なEVの実現可能性を検証するコンセプトカーだ。ケータハムは、ガソリン車と同様にドライバーに焦点を当てたEVを市場に投入することを目指している。

EVセブンは、公道とモータースポーツの両方で、先進的かつ頑強なパワートレインを手がけているスウィンドン・パワートレイン社と共同開発されている。スウィンドン・パワートレイン社は1990年代、『セブンJPE』のエンジンを開発したことで知られる。EVセブンは、セブンの大型シャシーをベースに、スウィンドン・パワートレイン社の専用「E Axle」を搭載し、液浸冷却式バッテリーパックを組み合わせている。

バッテリーの液浸冷却には、ケータハムの長年の技術パートナーのMOTULが供給する誘電性流体を利用する。バッテリーセルに直接接触させることで、最適な熱管理により、充電速度の向上とバッテリー寿命の延長を実現した。このテクノロジーは、大きな熱量を発生するスーパーコンピューターなどの冷却に使われることが一般的だった。

◆モーターは最大出力240hpで0〜96km/h加速はおよそ4秒
EVセブンには、「HPDE」シリーズをベースにしたスウィンドン・パワートレイン社のE Axleの専用バージョンが搭載されている。最大出力は240hp、最大トルクは25.5kgmを発生する。これにより、0〜96km/h加速はおよそ4秒の性能を可能にした。最高速は209km/hに到達する。

EVセブンは、ベースとなる市販のセブンに対して、70kgの重量増に抑えられ、総重量はおよそ700kgとした。蓄電容量51kWh(正味容量は約40kWh)の液浸冷却式バッテリーは、エンジンルームとトランスミッショントンネルに搭載された。

また、EVセブンは、最大出力152kWでDC急速充電できる。20分間サーキットを走行し、15分間でバッテリーを充電。さらに20分間、走行できる能力を持つという。

◆次世代のバッテリー技術が実用化された時に市販化を計画
EVパワートレインは、ケータハムが開発のベンチマークに位置付けている『セブン485』と『セブン480』の性能特性に対応するように設計されている。これにより、EVセブンが、内燃エンジン車と同様のドライバビリティを共有できるようにしている。

EVセブンには、LSD、『セブン420カップ』用のビルシュタイン製アジャスタブルダンパー、回生ブレーキ、4ピストンブレーキキャリパーも装備されている。また、アルミホイールは13インチのApolloブラックで、Avon製の「ZZR」タイヤを組み合わせる。ボディサイズは、全長3350mm、全幅1685mm、全高1115mmとした。

現段階では、EVセブンをこのままの形で生産する計画はない。このプロジェクトは、EVパワートレインが顧客の個々の使用ケースに対して、どの程度有効なのかを確認するためのテストベッドに位置付ける。軽量でシンプル、そしてファン・トゥ・ドライブという、セブンに必要なケータハム車特有の車両特性を実現する方法を学ぶために、このプロジェクトを進めている。次世代のバッテリー技術が可能にする将来の適切なタイミングで、この車両を市場に投入する計画、としている。

ケータハム EV セブン《photo by Caterham》 ケータハム EV セブン ケータハム EV セブン《photo by Caterham》 ケータハム EV セブン ケータハム EV セブン《photo by Caterham》 ケータハム EV セブン《photo by Caterham》 ケータハム EV セブン《photo by Caterham》