ダイハツ・ロッキー《写真提供 ダイハツ工業》

国土交通省は、ダイハツ工業が国内市場向けハイブリッド車の衝突試験で不正が発覚したことを受けて、ダイハツに対して事実関係の詳細な調査、再発防止策の検討を実施し、速やかに報告するよう指示した。

国土交通省では、ダイハツが5月19日に、ダイハツ「ロッキー」とトヨタの「ライズ」のハイブリッド車の2車種について衝突試験で不正し、型式指定申請時、不正行為があったと報告した。

国土交通省では「型式指定申請における不正行為は、自動車ユーザーの信頼を損なう行為であり、極めて遺憾」としている。

不正行為の内容は、ダイハツが審査機関である自動車技術総合機構交通安全環境研究所に対し、審査項目の一つであるポール側面衝突試験で、運転席側の社内試験データを提出すべきところ、助手席側の社内試験データを提出していた。不正発覚後、自主的に出荷と販売を停止していた。

5月26日にダイハツは社内で独自の確認試験を実施した結果、運転席側の安全性能も基準に適合していたことを確認したが、今後、更に事実関係や原因調査を進める。

国土交通省ではダイハツの報告を受けて、不正行為のあったポール側面衝突試験についての安全性を確認することや、事実関係、原因の詳細を調査、検討すること、他の試験項目や車種に不正行為がないか調査、報告することを指示した。

また、ダイハツへの立入検査を実施するとともに、今後、試験車両に関して不正がないかを含め、国土交通省の職員が組立工程に立ち会って、確認した試験を改めて実施する。

さらに今後の調査結果や報告を踏まえて厳正に対応するとしている。

トヨタ ライズ Z(ハイブリッド・2WD)《写真提供 トヨタ自動車》