2アーム式補機オートテンショナ《写真提供:NTN》

NTNは、マイルドハイブリッド車(MHEV)のエンジン補機ベルトシステムのベルト張力を自動調整する「2アーム式補機オートテンショナ」を開発。5月24日から26日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2023」に出展する。

補機駆動ベルトシステムには、テンショナプーリの位置を調整することでベルトに適切な張力を与えるオートテンショナが用いられる。オートテンショナからベルトに加わる力は燃費効率に関わるため、オートテンショナには少ない力でベルトに適切な張力を与えることが求められる。

モータでエンジンの駆動をアシストするMHEVでは、クランクプーリとベルトスタータジェネレータ(BSG)プーリが使用され、MHEVの走行モードによりいずれかのプーリがベルトを駆動。駆動するプーリが切り替わるとベルトの緩み箇所が入れ替わるため、従来はこの2か所の張力調整に2つのオートテンショナが必要となり、重量や取り付け工数の増加につながっていた。

NTNが開発した2アーム式補機オートテンショナは、2組のアームとテンショナプーリを連結させ、片側のアームの動きにもう一方のアームの動きを連動させる構造を採用。片側のベルトが張るとアームが揺動し、もう一方のベルトの緩みを調整する。この構造により、オートテンショナからベルトに適切な張りを与え、燃費の向上に貢献する。

また、駆動源の切り替えに伴うアームの過度な揺動を抑制する独自の新機構を業界で初めて採用し、異音や振動の原因となるベルトの過大振れを抑制。同社従来品のオートテンショナを2個使用した場合と比較して約60%軽量化しており、その点でも省燃費化に貢献している。

MHEVで使用される補機ベルトシステム《写真提供:NTN》 MHEVは走行モードにより、駆動するプーリがクランクプーリまたはBSGプーリに切り替わり、ベルトの緩みと張りが発生する箇所が移動する《図版提供:NTN》 2組のアームとテンショナプーリを連結させた機構を採用《図版提供:NTN》 開発品を適用した補機ベルトシステム例《図版提供:NTN》