BEV向けインバーター《写真提供 デンソー》

デンソーは、5月24日から26日までパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催される「人とくるまのテクノロジー展2023」に出展し、「環境」「安心」分野の各種技術と製品を紹介する。

デンソーは、「環境」と「安心」分野における提供価値の最大化を目指し、2035年の未来に向けて社会に欠かせない「人流」「物流」「エネルギー流」「資源流」「データ流」の「5つの流れ」に着目。相互につなげることで、人々の笑顔があふれる幸福循環社会の実現に取り組んでいる。

今回の展示会では、「環境」と「安心」分野にて「5つの流れ」に関わる技術を出展する。「環境」分野からは、カーボンニュートラルな社会の実現に向けた電動化普及に貢献する製品や技術を紹介。「安心」分野からは、交通事故死亡者ゼロに向けて、あらゆるシーンに対応することを目指した安全製品を紹介する。

なおデンソーは7月5日から7月7日までAichi Sky Expo(愛知県常滑市)で開催される同展示会、および横浜と名古屋の会期に合わせて開催されるオンライン展示会にも出展する。

●環境分野
電動車向けインバーター
電動化の基幹製品であるHEV向け、PHEV向け、BEV向けの各種インバーターと、インバーターに使用され、クルマの電費向上に貢献するSiCパワー半導体を紹介。両面積層インバーター冷却器は、インバーターの大出力化に伴う発熱に対応するため、冷却性能を大幅に向上している。

高効率ヒートポンプ
ヒートポンプで創出した熱を活用し、電池・インバーター等の温度を最適にするとともに、電池・インバーター等からの廃熱を回収し、ヒートポンプの高効率化を実現する。

冷却水制御弁
複数の冷却水路をさまざまなパターンでつなぎ、電池・インバーター等に最適熱分配を行う。本製品は高精度な流路切り替えと流量制御を、ディスクバルブ構造と高分解能アクチュエーターにより可能にしている。

小型モビリティ用駆動ユニット
デンソーの主要製品であるEPS-MCU(電動パワーステアリング用モータコントロールユニット)を活用した小型モビリティ用駆動ユニット。車載で培った高性能、高信頼性、量産の知見を動力部へ活用し、小型モビリティの電動化に貢献する。

走行中給電システム
デンソーは地面に埋め込まれた送電装置によって、停車中および走行中の電動モビリティに自動給電する走行中給電システムの開発に取り組んでいる。送電装置が埋め込まれた道路を走行する限りは、容量の小さいバッテリーでの長距離走行が可能になり、低価格な電動車両の普及に貢献する。また、バッテリーの小型化が可能になることで、バッテリー製造で発生するCO2を削減する。デンソーの工場内では本技術を用いた実証実験を開始。工場や倉庫などで活躍する小型モビリティの走行中に給電することで、充電時間をゼロにし、稼働率100%の実現を目指す。

トレーサビリティ技術
QRコード・ブロックチェーン技術を活用し、車載バッテリーのライフサイクル全体にわたって安全に個体情報を管理。例えば、車載バッテリーの充放電履歴など車両の価値に関わるデータを正確に把握し保護することで、車載バッテリーの適切な二次利用や車両価値の保護などを可能にする。

●安心分野
Global Safety Package 3 前方広角画像センサー
車両の周辺環境を認識し、安全性能向上に貢献する「Global Safety Package 3」。前方広角画像センサーは、交差点などにおける歩行者、自転車の飛び出し事故を防止するため、検知角度を128度に広角化。側方から接近する対象物を早期に検知できる。

イメージングレーダー
交通事故の低減に向けて、レーダーには車両や自転車、歩行者などの物体認識に加え、障害物まで含めた輪郭検知が求められる。イメージングレーダーは、レーダーの角度分解能、角度精度を向上させることで、交差点での合流などさまざまなシーンに対応する。

yuriCargo(ゆりかご)プロジェクト
スマートフォンに「yuriCargo」アプリケーションをインストールし運転することで、運転中の急ブレーキ、急ハンドル、急加速などを検出。運転終了後に運転スコアを算出、安全運転意識を高める。収集した運転データは、危険箇所の特定や交通安全に向けた導入施策の効果検証など、安全な街づくりに貢献する。

冷却水制御弁《写真提供 デンソー》 前方広角画像センサー《写真提供 デンソー》 「yuriCargo」アプリケーション《写真提供 デンソー》