Y's Road eバイクトレンド説明会@ワイズロード新橋店《写真撮影 編集部》

気候変動などの環境問題や健康志向などで、ヨーロッパ各国で人気が急上昇している「eバイク」。電動モーターの強力なアシストを得ることで、乗り手の体力レベルによらず快適な走りが体感できるということから、パーソナルモビリティとして普及拡大している。

欧州のeバイクトレンドの風が吹き始めたのは、いまから13年前の2010年。 きっかけはドイツのボッシュがスポーツ自転車むけ電動アシストユニットを開発し、欧米自転車メーカーがこれを搭載したeバイクを次々に発売したことから。いまヨーロッパの街では、eバイクで軽快に通勤・通学する姿や、週末にグループでサイクリングする姿をあちこちで見かけるという。

そんな欧州各国のeバイクトレンドに遅れをとり、eバイクの普及がなかなかすすまないのが、ここ日本。なぜ日本はeバイクが売れないのか、普及しないのか。または日本人がeバイクを選ばない理由があるのか…。

そんな不思議にヒントをくれたのが、日本最大級スポーツサイクル専門店「Y's Road」などを展開する、ワイ・インターナショナル。4月24日、ワイズロード新橋店(東京都)でeバイクトレンド説明会を開き、世界と日本のeバイクの違い、国内ルール事情、おすすめ最新eバイク、国内eバイク販売状況などを伝えた。

◆eバイクは電動アシスト自転車、国内普及に道路交通法が壁
ヨーロッパ各国で普及している eバイクが、日本でなかなか普及しない理由のひとつに、道路交通法がある。国内の道路交通法では、アシスト比率などの独自の規定があることから、欧州各国よりも市場の広がりが遅れているといわれている。

こうした事情のなかで、2015年にヤマハ発動機がロードバイクタイプのeバイクを発売したのをきっかけに、日本国内法規に適合した海外ブランドeバイクが発売されるようになり、にわかに市場拡大傾向にあるという。

eバイクも含めた電動アシスト自転車は、道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号)で 「人の力を補うため原動機を用いる自転車」の基準があり、道路交通法(昭和35年法律第105号)の定める基準に適合していなければ自転車として公道を走行できない。

たとえば、ぺダルを回さずにモーター駆動のみで動く自転車も海外から入ってきているけど、それらはeバイクではなく電動自転車で、法的には原動機付自転車か自動二輪車に分類され、ナンバープレートなどがないと公道で走らせられない。ナンバーなしで公道を走ると、違法と扱われる。

また、日本国内の道路交通法で定めるアシスト比率や速度を超過した違法な電動アシスト自転車も流通し、つい先日も国民生活センターがそうした違法な自転車による道路の通行を止めるよう注意喚起を行ったばかりで、こうした違法な自転車で道路を走行すると、運転者が罰則の対象になるから、注意を。

そこで気になるのが、国内の道交法上のアシスト比率ルールだ。国内では、次のような「道路交通法上のeバイク補助力比(アシスト比率)基準」(道路交通法施行規則第一条の三)がある。

・走行速度時速10km未満では最大で1:2
・時速10km以上時速24km未満では、走行速度が上がるほどアシスト比率を徐々に減少させる
・時速24km以上では補助力が 「0」 になる(アシストされなくなる)

◆ホンダとタッグを組んで開発したモデルが「RAIL ACTIVE-e」
ワイ・インターナショナルは、このような市場動向から、ホンダとパートナーシップを組み、世界で初めてスマートフォンアプリ「SmaChari」を搭載した最新電動アシスト自転車「RAIL ACTIVE-e」を開発。

電動アシスト自転車「RAIL ACTIVE-e」は、幅広い層に人気の本格派クロスバイク、KhodaaBloom『RAIL ACTIVE』(コーダーブルーム・レイルアクティブ)に、スマートフォンアプリ「SmaChari」(スマチャリ)と連動する電動アシスト機能を後付けしたモデル。5月に受注を開始し、9月に発売予定だ。

その最大の特長は、既製のスポーツ系ロードバイクに電動アシスト機能を後付けできる製造プロセス。電動アシストユニットも既存のモジュールを組み合わせることから、「ラインナップを幅広く拡充できる」という。

5月受注開始・9月発売の「RAIL ACTIVE-e」は22万円。もともとベース車の「RAIL ACTIVE」が7万〜8万円ほどだから、電動アシスト機能と「SmaChari」による“スマート電動化”はプラス14万円といったところか。

◆坂道の多い街で売れる eバイク、40歳代が注目
ワイ・インターナショナルは、自社が展開するスポーツサイクル専門店Y's Roadでのeバイクの購買データも公表。Y's Roadで eバイクを買う人の年代は、「30〜50歳代が全体の7割強を占め、一番多いのは40歳代で、全体の3割」という。

また全国のワイズロードでeバイクがよく売れる店舗があるのも興味深い。同社は「地理的に坂道の多い立地にある横浜店や神戸店、eバイクの品揃えが豊富な新橋店、新宿クロスバイク館、名古屋クロスバイク館、お茶の水店(東京都)での販売比率が高い傾向にあり、これらの店舗での販売数は、ワイズロード全店舗の半分以上を占め、eバイクを探す客から高い支持を得ている」とも伝えていた。

Y's Road eバイクトレンド説明会@ワイズロード新橋店《写真撮影 編集部》 Y's Road eバイクトレンド説明会@ワイズロード新橋店《写真撮影 編集部》 Y's Road eバイクトレンド説明会@ワイズロード新橋店《写真撮影 編集部》 Y's Road eバイクトレンド説明会@ワイズロード新橋店《写真撮影 編集部》 Y's Road eバイクトレンド説明会@ワイズロード新橋店《写真撮影 編集部》 Y's Road eバイクトレンド説明会@ワイズロード新橋店《写真撮影 編集部》 Y's Road eバイクトレンド説明会@ワイズロード新橋店《写真撮影 編集部》