クワトロリゴ・テンポ 10Photo by フェリースソニード

カーオーディオ市場の中で光を放つ“名機”を、1つ1つ紹介している当シリーズ。今回は、イタリアに本拠を置くハイエンド・カーオーディオブランド「クワトロリゴ」の、旗艦スピーカーにフォーカスする。製品名は『テンポ シリーズ』。さて、その魅力とは……。

◆パワーアンプブランドというイメージが強い「クワトロリゴ」。しかし…
イタリア発の実力ブランド「クワトロリゴ」は、ここ数年で特に日本国内での知名度を上げている。なお同ブランドは当初、「シンフォニ」という名称にて日本に紹介された。しかし近年、世界的な販売戦略の見直しが成されブランド名が「クワトロリゴ」へと変更された。ゆえにそこから数年にわたって日本国内では、「シンフォニ/クワトロリゴ」と新旧の名称が並記されてきた。だが今や「クワトロリゴ」という名称も相当に浸透したため、並記は取りやめられている。

ところで「クワトロリゴ」は、パワーアンプに強みを発揮するブランドというイメージが強い。その理由は主には2つある。1つ目の理由は、フラッグシップライン『ラ・プリマ シリーズ』のインパクトが大きいからだ。当シリーズは3モデル展開されているが、そのうちの最上位モデル『デシデリオ』は2chモデルでありながら税抜価格はなんと220万円。押しも押されもしない最高峰パワーアンプの1つとしてマニアから羨望の眼差しを向けられている。

そしてパワーアンプブランドという印象が強い2つ目の理由は、それに続くパワーアンプの2ndライン、『テンポ シリーズ』も実力機であり人気が高いがゆえだ。ちなみに当ラインの現行モデルが新登場したのは2019年だが、その登場をきっかけとして、「クワトロリゴ」の愛用者が一気に増えた。

◆スピーカーはエントリーグレードからハイエンド機まで3ラインを用意!
しかしながら「クワトロリゴ」は、スピーカーも3ライン持っている。つまりパワーアンプ専業メーカーではない。ちなみにその3ラインとは上から、『テンポ シリーズ』、『エロイコ シリーズ』、『オーバーチュア シリーズ』、この3つだ。ちなみにもっとも手頃な『オーバーチュア シリーズ』の6.5インチセパレート2ウェイコンポーネントキットの税抜価格は、6万円となっている。「クワトロリゴ」はハイエンドブランドというイメージも強いが、当機は案外リーズナブルだ。手応えある入門スピーカーを探している層にぴったりのひと品となっている。

そしてトップエンドラインとなる『テンポ シリーズ』も、ハイエンドスピーカーとしては比較的に手にしやすい価格帯に属する。具体的には以下の5機種が名を連ねている。

○1インチツイーター『テンポ 10』(税抜価格:10万円)
○3.5インチミッドレンジ『テンポ 35』(税抜価格:15万円)
○4インチミッドレンジ『テンポ 40』(税抜価格:16万5000円)
○6.5インチミッドウーファー『テンポ 65』(税抜価格:18万円)
○2ウェイクロスオーバー『テンポ 02』(税抜価格:8万円)

◆サウンドプランに応じて、必要なユニットをチョイス可能!
というわけで『テンポ シリーズ』にはコンポーネントキットの用意はない。なのでユーザーは、自分にとって必要なユニットだけを単品(ペア)にて購入することとなる。とはいえこのことはむしろメリットだ。ハイエンドスピーカーはプロセッサーを用いてマルチアンプ制御されることが多く、その場合にはパッシブクロスオーバーネットワークは不要だ。単品で買えるのであれば、このようなケースでパッシブ分のコストを節約できる。

また3ウェイを組みたいと考えるユーザーにとっては、ミッドレンジが2タイプ揃えられているところも嬉しいポイントとなっている。ユーザーのサウンドプランに応じて、または取り付け上の都合に応じて好みのミッドレンジをセレクト可能だ。

なお4インチミッドレンジは、欧州車等のドアスピーカーが10cmクラスである車種のミッドウーファーとしても使用可能だ。この口径のハイエンドスピーカーは案外選択肢が限られる。上質な10cmスピーカーを探していたという層にとっても、『テンポ シリーズ』のスピーカーは狙い目となる。

品があり、そして豊かなサウンドが楽しめる上級スピーカーに興味があれば、当シリーズの各機にもぜひご注目を。

クワトロリゴ・テンポ 35Photo by フェリースソニード クワトロリゴ・テンポ 40Photo by フェリースソニード クワトロリゴ・テンポ 65Photo by フェリースソニード クワトロリゴ・テンポ 02Photo by フェリースソニード