(イメージ)《写真提供 ダイハツ工業》

「首相、キーウ電撃訪問」がなければ、「WBC日本決勝進出」が、きょうの各紙の1面トップを飾ったことだろう。

「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)は、米マイアミのローンデポ・パークで行われた準決勝で、日本代表「侍ジャパン」がメキシコに6-5で逆転サヨナラ勝ち。劇的な勝利を飾って、2009年以来3大会ぶり、3度目の優勝をかけ、連覇を狙う米国と対戦する。

きょうの各紙も1面のほか、スポーツ面や社会面などに「村上ついに降臨、吉田まさに無双」(読売)や「大谷 信じた つないだ」(朝日)」、「侍は越えた4強の壁、腕を振った反撃の嵐」(毎日)、「村上すべて振り払った、苦しみの先 ついに覚醒」(産経)、「村上決めたサヨナラ打、吉田、反撃の一振り」(日経)などのタイトルで大きく報じている。

◆98.8%の組合でベア回答
三振、三振と苦しみ抜いた村上選手が最後の最後で目覚めたというWBCの準決勝ほどの感動は見られないようだが、自動車業界の労働組合でつくる「自動車総連」が集計した2023年春闘の回答状によると、会社から回答のあった組合の98.8%で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を会社側から示されたという。

きょうの読売と産経が取り上げているが、それによると、自動車総連が3月21日までに回答のあった163の組合の結果を集計したところ、161組合がベアの回答を得て、このうち、トヨタ自動車(金額は未公開)やホンダ、日産自動車などの大手自動車メーカーを中心に50組合は満額回答だったそうだ。

現時点で、ベアを実現した組合の割合は比較可能な2014年以降で最高とみられる。そのベア平均額は前年同時期の5.2倍の月額5274円、定期昇給分を含めた賃上げ額全体の平均は9829円で、年間一時金の平均獲得月数は4.98カ月だったという。

◆中小企業のベアは前年実績比4.4倍の4379円
また、回答企業のうち組合員300人未満の中小企業は42組合で、40組合がベアで労使が合意。ベア平均額も前年実績比4.4倍の4379円と大幅な底上げとなっているとも伝えている。

そんな中、日経が2面の「迫真」という解説欄に「満額ラッシュの裏側」というテーマで連載中であり、そのレポートの中身と読み比べてみるのも興味をそそられる。

2023年3月22日付

●首相キーウ電撃訪問、ウクライナ初の戦地入り(読売・1面)

●侍決勝へ、WBC、村上逆転サヨナラ打(読売・1面)

●2023春闘、組合98%にベア回答、中小は95%、賃上げ機運拡大(読売・6面)

●自動車ベア平均5274円、前年比5.2%「中堅中小に波及」(産経・5面)

●トレーラーバス「青春号」引退、26日イベント、国内唯一日の出町で運行(東京・22面)

●迫真、満額ラッシュの裏側(3)、「利益出せない」身削る賃上げ(日経・2面)

岸田首相がウクライナを訪問(3月21日)《Photo by Maxym Marusenko/NurPhoto/ゲッティイメージズ》 WBC、日本対メキシコ、9回裏村上が2者を還すサヨナラ打《Photo by Rob Tringali/WBCI/MLB Photos/ゲッティイメージズ》 西東京バスのトレーラーバス、機関車バス「青春号」《写真提供 西東京バス》