IIMS 2023でインドネシア販売が発表された「MG4 EV」《写真撮影 会田肇》

MGインドネシアは2月16日、インドネシアモーターショー2023(IIMS 2023)のプレスカンファレンスにおいて、バッテリーEV『MG4 EV』をインドネシアで初公開した。正式発売を前に、限定100台の予約注文をIIMS 2023の期間中に受け付けることも合わせて発表した。

MG4 EVは、英国のMG ブランドの下、中国の自動車メーカー「上汽(SAIC)モーター」によって生産されたCセグメントのバッテリーEVで、2022年6月に中国でMG『ムーラン』として最初にデビューした。SAICのスケーラブルなバッテリー電気モジュラープラットフォームに基づく最初の車両でもある。欧州には2022年7月に「MG4 EV」として導入され、同年11月にはタイでも「MG4 Electric」として販売されている。インドネシアではタイで生産された車両が販売される見込みだ。

MG4 EVが持つ最大のポイントは、スタイリッシュなハッチバックスタイルでありながら、クロスオーバーとしての要素を持つEVとしていることだ。ボディ全体はシャープなカーブが緩やかにラウンドし、とても躍動的に見える。フロントにはマトリックスLEDテクノロジーを採用したマルチ光源原の角形ヘッドランプを採用。リアエンドではLED 技術でサポートした“Cygnus Symbol”デザインによるテールライトを組み合わせている。

パフォーマンスは電気モーターは170PSと最大250Nmの最大トルクを発生し、発表されたスペックによれば0→100km/hを7.7秒で到達でき、最高速度は160km/hに達するという。そのパワーとトルクはすべて後輪に直接伝達される。

搭載バッテリーは安全性が高いリン酸鉄リチウム電池を使用。収納はフロア下となるが、高さをクラス最薄の110mmに抑えたことで、スタイリッシュなファストバックスタイルとしながら室内空間を犠牲にしないメリットを生み出している。バッテリー容量は51kWhタイプのみを搭載し、その航続距離はNEDCモードで最大425km、グローバルなWLTPモードでは350kmとなる。急速充電時は35分で10%から80%に達することが可能だ。給電機能も備える。

先進安全装備も充実し、ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)の搭載はもちろん、トラフィック ジャム アシストを備え、衝突被害軽減ブレーキやレーンキープアシスト、交通標識認識と連動したインテリジェント速度制限アシストなども備える。

ここで気になる価格だが、IIMS 2023で限定100台の事前注文を受け付けるものの、現時点では未発表。口頭で「トヨタ『bZ4X』よりも安い」との発言があったのみだ。これらから推測すると、ヒョンデ『アイオニック5』や日産『リーフ』に匹敵する価格帯であることが推測される。IIMS 2023で予約すると2023年7月には納車される見込みだ。

インドネシアは2050年までに国内販売される四輪車と二輪車を全てEVとする方針を掲げており、これを中韓勢は、長いこと9割を超える日本車のシェアを切り崩す、またとないチャンスと捉えているのは確かだ。それだけに力の入れ用は半端ではない。現状でこそ、受電環境が脆弱なこともあって電動車の販売台数は伸び悩んでいるが、それも中韓勢の展開次第によっては状況が大きく変化する可能性はある。インドネシアにおける電動化の推移に注目だ。

MG4 EV《写真撮影 会田肇》 MG4 EV:メータ前の液晶ディスプレ右派少し小さめに感じた《写真撮影 会田肇》 ダッシュボード中央には10.25型ディスプレイを配置《写真撮影 会田肇》 インフォティメントはすべてタッチパネル操作と音声認識で行われる《写真撮影 会田肇》 フロントボンネット《写真撮影 会田肇》 タイヤはコンチネンタル製を履いていた《写真撮影 会田肇》 スタイリッシュなデザインが目を引くのか、絶えることなく人が訪れていた《写真撮影 会田肇》 フロアを抑えたことでリアシートの足元は予想以上に広かった《写真撮影 会田肇》 マトリックスLEDテクノロジー《写真撮影 会田肇》 MG4 EV《写真撮影 会田肇》 MG(インドネシアモーターショー2023)《写真撮影 会田肇》