1月25日19時15分頃、札沼線(学園都市線)拓北〜篠路間の大野地街道踏切付近で発生した上り普通列車と乗用車の接触事故。《写真提供 北海道旅客鉄道》

JR北海道は2月15日、今冬の降雪による影響を明らかにした。

それによると、降り始めから2月4日までの累積降雪量と最大積雪深の値は、大規模な運休が続いた昨冬の同時期に比べて道東や道北、道南を除いておおむね減少傾向で、札幌圏の降雪量については札幌や島松では減少、小樽や岩見沢、当別では若干増加した。

これにより12月から1月にかけての運休本数は昨冬の3分の1程度に留まっているが、それでも低気圧が接近した1月25〜26日には函館本線朝里〜銭函間で電力設備が高波を被り結氷して停電するトラブルが、函館本線江別〜豊幌間で列車が雪害により駅間で立ち往生するトラブルが発生。特急61本を含む862本が運休し、約15万8000人に影響が出た。

また、1月25日には札沼線(学園都市線)拓北〜篠路間で普通列車と乗用車の接触事故が発生し、27本の列車が運休、約7000人に影響が出た。

2月1日には再び低気圧が接近したが、札幌圏で夜間に最大50cm程度の降雪や強風が予測されたため、20時頃から終日運休に。2月2日の午前中から順次再開したものの、両日を合わせて特急68本を含む700本が運休し約5万8000人に影響が出た。

ただ、2月1〜2日の場合は駅間立ち往生の防止や除雪作業時間の確保を念頭に、2月1日の運休を1月31日の夕方に、2月2日の運行再開を前日の午前中に決定したことから、1月25〜26日のような混乱には至らなかった。

JR北海道では昨冬の苦い経験から早期の運転規制や運転計画の策定、駅構内の事前除排雪の強化、旅客への情報提供、除排雪設備の強化、他の交通機関との連携を進めており、各取組の検証を随時行ないつつ、問題点を速やかに改善することを目指すとしている。

1月25日、石狩湾沿いの函館本線朝里〜銭函間で発生した電力設備トラブル。高波により海水を被り、それが凍結し停電を引き起こした。《写真提供 北海道旅客鉄道》 1月25日、函館本線江別〜豊幌間で下り列車3本が駅間で立ち往生。江別、札幌方面へ引き返すために上り特急『カムイ46号』を列車のそばに停車させ、乗換え用のはしごで下り列車の乗客を救出する作業が日を跨いで行なわれた。《資料提供 北海道旅客鉄道》 函館本線の立ち往生で旅客救出用のはしごを設置する様子。この立ち往生は、前日に東海道本線(JR琵琶湖線、JR京都線)山科〜高槻間で雪害による大規模な立ち往生が発生したせいか、報道ではあまりクローズアップされなかった。《写真提供 北海道旅客鉄道》 1月25日19時15分頃、札沼線(学園都市線)拓北〜篠路間の大野地街道踏切付近で発生した上り普通列車と乗用車の接触事故。《写真提供 北海道旅客鉄道》 2月2日4時30分、降雪カメラが捉えた札幌駅の様子。《写真提供 北海道旅客鉄道》 2月2日早朝の札幌運転所の様子。《写真提供 北海道旅客鉄道》